誰もが活躍できる社会を目指して~NSGソシアルサポートの取り組み~
通称「ロクイチ報告」と呼ばれていますが、6月1日現在の高齢者及び障害者の常用労働者数を「高年齢者及び障害者雇用状況報告書」にまとめ、本社所在地を管轄するハローワークに報告することが義務けられています。
NSGグループの企業の一つに、障がいがある人達の個性を活かせる職場環境を提供し、雇用促進と社会貢献の実現を目指す株式会社NSGソシアルサポートという会社があります。2020年2月に設立し、同年3月に特例子会社としての認定を受け、5月にNSGグループの企業グループ算定特例の認定も受けました。それから3年余りが経過し、インクルージョン教育や就労移行支援、就労継続支援など事業の幅も広がってきています。今回はNSGソシアルサポートの取り組みを紹介したいと思います。
新潟県内で3番目に設立した特例子会社
特例子会社という言葉は聞きなれない言葉かもしれません。一般的には障がい者の雇用義務は個々の法人ごとにありますが、障がいのある方の雇用を促進する目的で子会社を設立し、一定の要件を満たしていると認められることにより、その子会社に雇用されている方を親会社に雇用されているとみなすことができます。また、親会社、子会社を含むグループ全体を合算して雇用率を算定できる企業グループ算定特例という制度もあります。
この制度に基づき、特例子会社NSGソシアルサポートを含むグループ6社で企業グループ算定特例の認定を受けています。NSGソシアルサポートは現在約25名の社員が働いていますが、その内の14名の社員は障がいのある方です。NSGソシアルサポートは、教育機関などでの清掃業務やWEB制作などのIT関連業務をグループ内外の事業者から請け負い、それらのサービスを提供することで収益を上げ、企業として自立した運営がなされています。以前は、法人ごとに障がいのある方の雇用推進に取り組んでいましたが、障がい特性に応じた環境調整や、業種業態によっては活躍してもらう上でのノウハウの蓄積が十分でないなど課題がありました。そこでNSGソシアルサポートを立ち上げ、社会福祉士やメンタル面のサポートもできる健常者の社員が、障がいのある社員をバックアップする体制を整え、それぞれの得意な事をいかして活躍してもらっています。
就労支援や地域とのつながりづくりも
NSGソシアルサポートはNSGグループの企業の障がい者雇用を推進するだけに留まりません。福祉部門を設け、2年以内に一般の企業への就職を目指す方を対象とした就労移行支援も行っています。学校のような形態で障害のある方に通所やリモートでPCを中心としたスキルの取得や自己分析、メンタル面のサポートなどの機会を提供しています。現在はおよそ20名前後の方が訓練を受けていて、訓練が終わると地域の企業に就職をしていきます。
昨年2月には障がいにより就職する事が困難な方に対し就労訓練や支援を行う就労継続支援B型の事業も開始しました。それぞれのペースで自分にあった働き方を実現する「ワークコース」や、自分の得意や好きを生かして起業したい方向けの「スタートアップコース」があります。就職に向けてのステップアップとして、また体調を整えながら無理なく「はたらく」を実現する場所として利用してもらっています。
また、地域とつながりながら活動するインクルージョン部門もあります。セミナー開催や障がい者の就労体験のコーディネート、障がい者雇用のコンサルティングの事業に加え、他にはアルビレックス新潟と連携し、ホームゲームの時に就労体験の機会を提供しています。この就労体験の際には一般社団法人I have a dreamと共にNSGソシアルサポートの訓練生だけでなく、地域の他の施設の皆さんにも声をかけ、スタジアム周辺の清掃活動などに参加してもらっています。仕事を通じて喜びや自信を得る機会になっています。また、SDG‘sギフトセットという商品を作って、地域の作業所で作ったクッキーなどの商品を購入し、複数の施設から集めた商品をパッケージして企業のお中元やお歳暮として利用してもらっています。地域には良い商品を作れているけれど販売するノウハウがない施設もあって、その部分をNSGソシアルサポートがお手伝いさせていただいています。
障がいの有無に関わらず誰もが活躍できる社会を
NSGソシアルサポートの活動は、地域に根付き、着実に事業活動の幅が広がってきています。NSGグループ内には幅広い業種、たくさんの職場があるので、多様な個性を持つ方々がそれをいかして活躍できる機会があると思います。また、大学や専門学校などにおける若年層の方を対象とした支援のニーズもあると思います。NSGソシアルサポートの活動を中心に、障がいのある方が活躍できる環境を整えると共に、多様な働く機会を創出していきたいと思います。そして、NSGグループだけに留まらず、これからもそれを地域全体に広げ、障がいの有無に関わらず誰もが活躍できる社会づくりに取り組んでまいりたいと思います。 〆