CO2排出量の「見える化」を通じて持続可能な未来へ

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持続可能な社会の実現に向け、日本政府をはじめ世界各国が、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しています。各自治体や民間事業者もそれに呼応し、その実現に向けて様々な施策に取り組んでいます。
NSGグループではその実現に向けて、法人向けの小売電気事業を展開する新電力新潟(株)が、中小企業の脱炭素経営をサポートするクラウドサービスを9月2日にリリースしました。今回はその取り組みについて、紹介したいと思います。

エネルギーの地産地消を推進する新電力新潟

新電力新潟株式会社は、2018年に設立され、2019年に経済産業省から小売電気事業者のライセンスを取得した電力会社です。主な事業としては小売電気事業(電気の供給)や太陽光発電のPPA事業、排出量可視化システム事業を行い、環境および経営コンサルティング事業、燃料販売事業なども展開しています。電力を通してエネルギーの地産地消を実現し、住む人の元気さ、豊かさ、活気ある街づくりを目指しています。
小売電気事業者は「新電力」とも呼ばれ、全国で現在733社、新潟県では6社あり、その内の一社です。電力は一部を除き主に電力卸売市場から購入し、送配電事業者を通じてお客様に供給しています。同社は現在263拠点に電力を供給し、供給エリアは東北電力管内(新潟、福島、山形)および中部電力管内(静岡)に広がっています。

中小企業の脱炭素経営を支援する新サービス『カーボンビジョン』

そんな新電力新潟が新たに提供を開始したのは、CO2排出量を「見える化」するサービス“Carbon Vision(カーボンビジョン)”です。
カーボンビジョンは、中小企業に特化したCO2排出量の可視化サービスで、中小企業の脱炭素経営を支援するために開発しました。企業は脱炭素経営の重要性を理解しつつも、排出量計算の複雑さや人材、時間、予算の不足などの課題に直面しています。カーボンビジョンはリソースが限られた中小企業でも利用でき、これらの課題の解決を支援するサービスです。
特徴は使いやすいUI(ユーザーインターフェース)と、月額2万円という手頃な価格設定です。企業のCO2排出量をスコープIIIまで含め可視化し、報告資料の出力ができ、各企業の排出量データを元に、具体的な削減提案や施策が提供されます。そして、環境省認定の脱炭素アドバイザーの資格を持つコンサルタントが無料で相談に応じることもできます。
カーボンビジョンは最終的に、CO2排出量の可視化と削減を効率的に行うことで、企業のサービスの質向上と共に、経営の成長に大きく貢献することを目指しています。「見える化」によって、エネルギー消費を削減するための具体的な目標設定が可能となり、企業における環境意識の向上を促進します。また、それを通じて、地域全体でのエネルギー利用に対する意識改革が進み、再生可能エネルギーの普及拡大にもつながることを期待しています。

ビジネスの継続に不可欠な排出量削減

CO2排出量の「見える化」は、自社が与える環境負荷を削減するための、具体的な行動を起こすために必要なプロセスです。大企業ではこうした取り組みが進んでいますが、予算など規模の面で劣る中小企業においては、重要性は認識しながらも、まだ具体的に行動に移せていないという状況であると思います。しかしながら、サプライチェーン全体での排出量削減が重要視され、大企業は取引先の中小企業にも排出量削減を求める状況が進みつつあります。金融機関においても、排出量削減の取り組みを評価し優遇するなどが一部で行われ、資金調達にも影響が生じます。中小企業にとっても、排出量削減がビジネスの継続に必須となりつつあります。
新電力新潟は、地域社会の低炭素化の取り組みを中小企業と共に進めていくことを目指してカーボンビジョンを開発しました。NSGグループも同社と一体となり、商事部門などを中心に総合力を活かして、利用者様のCO2排出量削減に貢献する提案を進め、持続可能な社会に向けた環境に配慮したビジネスを推進していきたいと考えています。
このカーボンビジョンによるCO2排出量の「見える化」は、単にデータを可視化するだけではありません。未来を見据え、持続可能な社会を築くための行動を起こすための第一歩になると思います。新電力新潟は、その第一歩を踏み出すサポートを行います。新電力新潟のカーボンビジョンが、地球全体の持続可能な未来の一助となれば幸いです。そしてNSGグループも、地域の持続可能な成長と発展のために、今後も継続して取り組んでまいりたいと思います。    〆