医師を目指す中高生の学びをサポート。NSGグループ地域医療支援プロジェクト始動。
新潟県が抱える課題の一つに医師不足があります。2022年時点で、新潟県の人口10万人当たりの医師数は全国44位となっています。県はこの医師不足の解消に向け、医師養成大学との連携や地域枠の設置、奨学金の支給など、さまざまな取り組みを進めています。
NSGグループもこの地域課題の解決に貢献できないかと考え、医師を志す中高生の医学部医学科合格を支援する「NSGグループ地域医療支援プロジェクト」を2024年9月にスタートさせました。これは、NSGグループの学習塾部門を担う(株)NSGアカデミーと、「医学科進学コース」を展開している開志国際高等学校が協力し、医師を目指す中学生を高校卒業までサポートする法人を横断して連携するプロジェクトです。
医師になりたいという夢を実現する
小学生の将来の夢のランキングでは必ずと言っていいほど上位にランクインする医師という職業ですが、なぜ新潟県では不足しているのか? どのようにしたら増えていくのか? 様々な対策があると思いますが、医師になりたいという夢を持った子供たちがそれを持ち続け、医学部合格を目指す生徒が増えることは医師不足解消の第一歩になると考えています。
まず、医師になるためには医学部医学科へ合格する必要がありますが、全国模試で上位層に入る学力が求められる超難関です。子供の頃に医師になって患者さんを助けたいという夢を抱いていた子ども達も、大学入試のハードルの高さを感じていつしか諦めてしまうケースも少なくないでしょう。
また、中には何としても医学部に合格するために浪人する方もいますが、医師になりたいというモチベーションを長期間維持することは簡単ではありません。合格に必要な学力を身につけるまでモチベーションを維持し続けられず、途中で断念するケースもあるでしょう。
医学部に入学した後の学費も必要ですが、進学するために学習塾を利用する方はその費用も生じます。近くに学習塾がない地域にお住いの場合には、学習塾のサポートを利用する機会を得られず、学力の向上やモチベーションの維持が困難なこともあります。少なくない中高生が医師になりたいという夢をあきらめ、医学部への進学を断念しているのではないでしょうか。
学習塾と高校が連携して医学部医学科合格をサポート
冒頭でご紹介したように、医師不足は新潟県の大きな課題です。そして、医師になりたいという志を持ちながらも、難関である医学部医学科合格を目指す上で、近くに学習塾などの学習環境を持たない生徒が少なくないという現状があります。
NSGアカデミーは、新潟、福島、山形、群馬の4県で学習塾を展開している企業で、学習塾事業の歴史は1977年の創業以来47年に及び、たくさんの生徒の夢の実現のサポートに取り組んできました。学習塾の短期的な目的は子どもたちを志望校合格に導くことですが、子供たちの無限の可能性を引き出し、主体的に生きる力を身につけることを理念にしています。
また、開志国際高校は志を持って未来を切り開き、地域社会・国家・国際社会のリーダーとなる人材を育成することを教育目標に掲げ、「医学科進学コース」という医師を目指すコースを設置しています。
そして、NSGアカデミーが運営する東進衛星予備校が開志国際高校内に併設されており、医師を目指す生徒をサポートする環境が整っています。
NSGアカデミーと開志国際高校の、医師を目指す生徒の医学部合格をもっと後押ししたいという思いが重なり、連携することでより合格への道筋を確かなものにするために、「NSGグループ地域医療支援プロジェクト」が立ち上がりました。
そして、医師になりたいという志を持つ生徒に、地域面、経済面に依らず等しく学習の機会を提供する「医師養成サポート制度」という形で具現化しました。
中高生が医師を目指す環境の充実を図る
「医師養成サポート制度」は、医師を目指す強い意志を持ち、このプロジェクトに共感する中高生を対象としています。選考は面接とエントリーシートをもとに行われ、特別な試験はありません。
「医師養成サポート制度」のポイントは次の四つです。
一点目が学力の向上です。医師になるための難関である医学部合格を目指し、数学、理科、英語の実力を強化します。中学生には現役の医学部生が、個別に指導を行います。高校生には少人数クラスで、大手予備校での指導経験のある教員が重要な科目を担当します。
二点目がモチベーションの維持です。現役医学生の指導や、卒業生との座談会、医療現場の見学などを通じて、医師を目指す意欲を高めます。同じ志を持つ仲間との交流も、相互の成長を促します。
三点目が地域を問わないことです。近くにNSGアカデミーが運営する学習塾がない、また塾の開校する曜日や時間に通えない方もいるかもしれません。以前に紹介しましたが、「NSG PLATS」は、自宅オンライン個別指導システム「MULT-i(マルチアイ」という独自のシステムを活用しています。また、遠方から開志国際高校に入学する方は、入寮することで登下校の負担が大幅に減り、より学習に集中できます。
オンライン個別指導システム「MULT-i」を活用し、遠方に住む中学生も支援を受けられます。遠方の高校生には寮生活のサポートも提供されます。
四点目が経済面での支援です。中学2・3年生にはオンライン指導が無料で提供され、必要な機材も無償で貸与されます。また、開志国際高校に進学する際は、入学金と授業料が全額免除されます。
社会に貢献できる人材育成を目指して
NSGアカデミーと開志国際高等学校によるプロジェクトが、医師になりたいという志を持った中高生をサポートし、新潟県の生徒の医学部合格者の増加につながることを期待しています。また、それが微力ながら医師不足解消の一助になれば幸いです。
NSGグループは、現在108の法人で構成され、様々な事業を展開しています。このプロジェクトのように、法人同士の連携によって生まれるシナジーは、新たな可能性を秘めていると思います。地域社会の課題解決やニーズを満たすサービスや商品を提供できるよう、グループ内外で協業し、社会に貢献できる事業創造に取り組んでまいりたいと思います。 〆