【コラム第124回】2016年の年頭にあたって

あけましておめでとうございます。2016年がスタートいたしました。本年もよろしくお願い申し上げます。

私が代表を務めるNSGグループは、今年創業40年目に入ります。グループは創業当初から地域密着による事業を展開し、地域活性化に取り組むことを社是としてまいりました。いま、安倍内閣が地方創生を掲げ日本の再生に取り組んでいますが、わがグループは微力ながら、その実践者として歩んできた歴史を持ちます。そしてあらためて、その道を歩んでいくことの大切さを思っております。

わが国は、明治維新、戦後の復活に続く第3の改革の時期を迎えているといわれています。大変革を必要とする時期の特徴は、旧態依然のままでの発展は難しいということにあります。新しい視点でどのようなイノベーションを起こせるかが問われます。
明治維新では、江戸や京都から遠い薩長などの人たちが中心的役割を果たしました。戦後の復興でも、それまで国家を動かしていた一群とは違う新しい力が主役となりました。
大きなイノベーションが辺境の地などで起きやすいのは、ヒエラルキーの影響を受けにくいからです。それまでの構造に浸かってこなかったので、フルチエンジの発想を生み出しやすいわけです。
このような観点から考えると、日本の第3のイノベーションを起こす主役として、地方の果たす役割の大きさが浮かび上がります。すなわち「地方イノベーション」の行方が日本の未来を左右するのです。

「地方イノベーション」と私が命名した概念には、二つの意味が込められています。一つは、既存のあり方や構造を変えるイノベーションを起こして、公共事業や国からの手厚い支援、工場の誘致がなくてもたくましく自立していくことができる、強い地方のまちをつくるということです。
もう一つはそうした活動を通じて、日本の将来の繁栄を支える基礎をつくるという意味です。すなわち、大きな変革の時期にある日本の将来を確かなものにするための地域振興、という意味です。
これからの時代、地方に求められる役割は、イノベーションや創業のプラットフォームとして機能していくことです。そのための一つのモデルとしての役割をわがグループが果たし、新潟の発展に貢献できればと考えています。
今年を地方イノベーション元年とすべくがんばってまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。                        
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