食の可農性を追究する新潟食料農業大学を来春開学【コラム144】
昨年10月末に申請を行っておりました、新潟食料農業大学の設置について、8月29日(火)に文部科学大臣より認可されました。多大なるご支援をいただきました皆様方に改めて心より感謝申し上げます。
新潟食料農業大学では食料産業学部を設置し、従来の農学とは異なる、時代が求める食料産業に関する教育を行ってまいります。食料・農業分野は大きな変革期を迎えています。農業の担い手不足や低い食料自給率などの課題がある一方で、6次産業化による高付加価値化や海外への輸出促進など、成長に向けた大きなチャンスがあります。そうした食料・農業分野を担い、変革の中核になって新しい価値を創り出すことができる人材を育成してまいります。
食料産業学部では、農産物の生産から、加工、流通、販売、消費まで食料産業に関わる全体をカバーする包括的な教育研究を行います。食と農に関するジェネラリストとしての広範な知識に加え、農業系、ビジネス系、食品系、3つのコースを編成し、それぞれに特化した高度な専門性を身につけ、高度の専門性を持ったジェネラリストを養成することを目指します。キャンパスは新潟市北区と胎内市に設け、各地域の特性を活かした実践型の教育・研究を展開します。新潟キャンパスでは経営・経済に関するビジネス系科目を開講します。社会連携の拠点となる社会連携推進室も設置します。胎内キャンパスでは食・農系科目及び教養科目を開講し、山・農地・海へと繋がる自然環境を活かした教育を行います。
豊かな自然に恵まれた新潟の農業や食品産業は、日本の中心的な存在ですが、さらに、生産性を向上させ、付加価値を高め、ビジネスとしてブラッシュアップすることで、1兆円規模の輸出産業に発展する大きなポテンシャルを秘めた地域だと思います。アメリカの地方都市のシリコンバレーが世界のITベンチャーの中心地であるように、新潟が食や農における世界の中心都市に発展することも可能だと思います。
そのためには、産官学が連携し地域一体となって取り組むことが不可欠です。新潟食料農業大学は、食料・農業分野における知の拠点として教育、研究に取り組み、それをビジネスとして発展させることができる人材を育成してまいります。産業発展や産業創出の一翼を担い、地域社会の活性化に貢献できる、地域になくてはならない大学として発展できるよう全力で取り組んでまいります。 〆