新潟から世界に向けて研究成果を発信~設立20周年を迎えた新潟骨の科学研究所【コラム172】

NSGグループが運営する新潟リハビリテーション病院にある新潟骨の科学研究所が創立20周年を迎えました。新潟骨の科学研究所は、骨形態計測の草分けであり、この分野において病院に併設された研究所としては国内唯一の存在です。全国からの標本依頼を受託しながら研究に取り組み、新潟大学や海外の研究機関と連携して日本の骨代謝研究をリードしてきました。骨形態計測とは、骨を非脱灰標本という標本にして骨の動態、病態を解析する方法で、広く世の中の研究に役立つ科学的な骨の解析です。高齢者の骨折などが社会問題となっている今、ますます注目されています。

この研究所を設立し、国内外の骨形態計測学の発展に貢献してきたのが、現在顧問を務める髙橋榮明先生です。髙橋先生は、新潟医療福祉大学の学長予定者として開学準備に携わって下さっていた1999年に研究所を設立し、所長を務められました。その後、新潟リハビリテーション病院と新潟医療福祉大学を同時にスタートした2001年に、研究所を現在の新潟リハビリテーション病院の中に移し、現在病院長を務める山本智章先生に所長に就任いただきました。山本先生はNPO法人日本脆弱性骨折ネットワークの設立に尽力されるなど、骨粗鬆症性骨折予防の第一人者としても活躍されています。

この研究所の創立20周年を記念して、6月6日(木)にホテルイタリア軒を会場に、WEBシンポジウムが開催されました。シンポジウムでは、インターネットで世界を結び、ライブで研究成果を各国の研究者の先生方と共有し、意見交換が行われました。インディアナ大学、ケンブリッジ大学、南デンマーク大学、コロンビア大学や香川大学をはじめ、病院や企業など国内外、多方面の研究者が参加し、有意義なシンポジウムとなったそうです。世界に先駆けて超高齢社会を迎えている日本と、これから高齢化が進む諸外国とで課題を共有し、共に研究を発展させ、その対策を考えようという取り組みを新潟から世界へ発信することは、学術研究による地方創生にもつながっていくものと思います。

この新潟骨の科学研究所は20年という節目を迎えましたが、今後も貴重な研究活動を継続し、国内外に向けて有意義な発信を行うことで、社会の発展に貢献することができれば幸いと思います。                〆