新型コロナウイルスとベンチャービジネス【コラム181】

新型コロナウイルスは、まさに世界を大混乱の渦に陥れています。命を落とされた方々に謹んで哀悼の意を表しますと共に、医療現場の最前線で日々活躍されている皆様を感謝の気持ちで応援したいと思います。

新型コロナウイルスの影響により多くの企業が存続の危機に直面し、政府もそれを支援するべく様々な支援策を講じています。特に経営基盤の脆弱な中小企業、小規模事業者の支援に取り組んでいただいていますが、ベンチャー企業がその支援からもれてしまい、政府の支援が届きにくい状況にもあります。
例えば雇用調整助成金や持続化給付金においては、前年度の売上高を基準とした制度設計が行われおり、まだ売上高のない開業前のベンチャー企業や、危機的な状況にあるが売上高は前年同月を上回るような成長期にあるベンチャー企業は支援対象とならない事となります。中には前年同時期との単純比較以外の視点で支援を受ける事ができるよう定められていることがあっても、実際には窓口での処理が追い付かない状況で、開業前、開業直後のベンチャーが支援を受けらないケースが発生しているとの情報もあります。

既存の企業を支えるのと同時に、経済の活力を生み、将来の成長の原動力となるベンチャー企業を存続させることにも目を配ることが必要であり、支援策の充実は喫緊の課題であると考えます。
ベンチャー企業は新型コロナウイルスの騒動が収束する近未来、新しい時代の創造の担い手になります。ニュービジネスの芽を摘んでしまうことは、経済的な復興の原動力を失う事となってしまいます。明治維新や第二次世界大戦後の復興において、きら星のごときベンチャーが生まれ、成長し、雇用を創り出し、日本を豊かにしてきました。今だからこそ、10年、20年先の日本の成長の中心となりうるベンチャー企業によるチャレンジを支援しなければいけません。

新型コロナウイルの影響で人々の行動や価値観が大きく変わる、今まさにパラダイムシフトが起こっている渦中にあります。パラダイムが変わり、これまでの想定とは異なる未来を創っていく上では大変革が必要となります。大変革を必要とする時期の特徴は、旧態依然のままの発想での発展は難しいということです。新しい視点でどのようなイノベーションを起こせるかが問われると思います。

新型コロナウイルスに、今は耐えて、人、企業ともに生き残ることを最優先にしながらも、ウイルスと共存しながらどう経済活動を回復させていくか、どう幸せな社会を築いていくかを同時に考えていかなければいけません。社会に大きな変化が訪れる時代、その中で様々な課題が生じ、それを解決することに新たなビジネスの機会があります。それまでの常識に捉われない自由な発想で社会課題の解決を図る事業へチャレンジすることで日本は復興を遂げる事ができると確信しています。そのためにも、原動力となるベンチャー企業を支え、また新規事業へのチャレンジを後押しする制度が必要となります。私が会長を務める日本ニュービジネス協議会連合会でも、そうした提言をするべく検討を進めていきたいと考えています。             〆