頑張る皆さんへ神社からのエール【コラム190】

2月と言えば、人それぞれで様々なものを思い浮かべるかもしれませんが、私の場合は、節分、中学・高校・大学受験や各種国家試験・検定試験、そしてJリーグのシーズンインというのが風物詩として思い浮かびます。

私が新潟市の中心地に古くからある神社の家に生まれ、経営者としての道を歩むと共に神職として神社を御守りしていることを、このコラムでも書いたことがあると思いますが、冒頭に上げたものは全て神社でご祈祷するものという共通点があります。

節分の厄祓いなどのご祈祷はもちろん、NSGグループの学習塾や大学・専門学校生の各種試験における合格祈願のご祈祷なども私が名誉宮司を務める古町神明宮でさせていただいています。また、アルビレックスの各スポーツチームの選手の皆さんは、シーズンインやキャンプインに合わせて毎年必勝祈願に参拝されています。

今回のコラムでは、その古町神明宮について紹介させていただこうと思います。

古町神明宮は、天照大御神と豊受大神を主神として祀る神社で、天正19年(1591)4月28日、上杉家より米4斗7升2合、社地2000坪の寄進と共に、上杉家の家臣である直江山城守兼続より真筆の「高天ヶ原」の額並びに黒印書を賜り、御師次太夫が古町神明宮の神職として任命されたという由緒を持ちます。

また、古町神明宮に合祀されている船江神社は、御祭神は猿田彦大神と大彦命です。船江神社は、1700年以上の歴史があり、『延喜式』神名帳〔延長5年(927年)〕に式内社としても名を連ねています。
この二つの神社は、安政5年(1858)に社殿を再築した際に合祀され、「船江大神宮」の社号を賜りました。
明治元年には村社に列し、同5年3月、新潟総鎮守として全市民の氏子札を届けてある新潟縣初代縣令正3位永山盛輝真筆の社名額が奉納され、また、昭和2年には、第25・28代内閣総理大臣若槻禮次郎より社名石柱が奉納されました。

このような、新潟で大変長い歴史のある神社として尊崇いただいています。

また、古町神明宮の境内には、八幡宮と白鳥神社の2社が境内社としてございます。

八幡宮は、九州宇佐八幡宮が本宮で、応神天皇を御祭神としてお祀りしています。八幡信仰のひとつの面から、源氏の氏神であります応神天皇の武神としての「弓矢の神」「鍛冶神」の御神徳による「武芸上達」、刀鍛冶・刀剣研磨に携わる人をはじめとして製鉄業関係者の「鋼の守護神」として信仰されています。
八幡信仰のもうひとつの面では、応神天皇・神功皇后は共に、大陸交渉に伴って、大陸の文化を我が国に輸入し、日本の文化興隆をはかられた御神徳により「学業成就」「合格祈願」として崇められています。

白鳥神社は、白鳥神社建立奉賛会によって建立されました。古町神明宮ではアルビレックスの各チームの必勝祈願祭を承っておりますが、サポーターの皆さんをはじめ新潟に暮らす方々の願いを一つに集め、さらに大きな力にしようと、すべての「アルビレックス」の成功と躍進を祈願するお社として、建立されました。

前述いたしましたが、古町神明宮は上杉家とご縁の深い神社です。戦(いくさ)に強い武将として知られ、軍神として信仰される毘沙門天の化身と称えられた上杉謙信は八幡様を信仰され、境内社の八幡宮も上杉家から社地等の寄進を受けた際にお迎えしたと言い伝えられています。たくさんの方々が必勝祈願や合格祈願に参拝され、NSGの学習塾や大学・専門学校の合格祈願のご祈祷をさせていただいていますが、学習塾は新潟県内でNO1の難関中学・高校・大学受験の合格実績を誇ります。全国トップクラスの各種国家試験の合格実績の新潟医療福祉大学では、大学の正門付近に建立したお社に古町神明宮の神職が出向きご祈祷を捧げています。アルビレックスの各チームの選手やスタッフの皆さんはキャンプインやシーズンインの前に参拝し絵馬を奉納して行かれます。この神社がそれらの皆さんをはじめ参拝された方々の活躍を後押しする精神的な支柱になることができていれば、それも非常に嬉しいことであります。

また、古町神明宮のある地域一帯は昔「神明町」という地名であったそうです。現在古町神明宮の住所は「古町通一番町」ですが、新潟市史に記載されている江戸時代初期の古町通周辺の地図を見ると、当時のその周辺は「神明町」という町名で、その町内を通っていたのが古町通りであることが伺えます。

昔から新潟の中心地に鎮座し、その長い歴史と共に地域の人々の健康や幸せをお祈りしてきた神社を御守りする責任を感じると共に、そうした家に生まれてきたことが、私が新潟を我が事として考えるようになった一つのきっかけなのではないかと、運命のようなものを感じています。

余談ではありますが、古町神明宮のすぐそばにNSGグループで運営する古町糀製造所という、糀ブームの先駆けとなった甘酒の専門店があります。そこでオープン当初より「神社エール」という名の糀ドリンクを販売しています。「神社」と「ジンジャー(生姜)」を掛け合わせたユニークなネーミングで、オープン当初から人気に商品になっています。

受験や資格試験など目標を持って勉学に励んでいる方や、スポーツなどで今年こそはと必勝を願い努力する方をはじめ、全ての方々の幸せや願い事を神様にお届けすると共に、頑張る皆さんに心から神社よりエールを送りたいと思います。                             〆