2022年の年頭にあたって【コラム201】
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。年頭にあたり一言ご挨拶を申し上げます。
新型コロナウイルスの感染拡大から2年が経過いたしました。ワクチン接種も進み、感染予防に注意を払いながらも社会経済活動を取り戻していくというフェーズに入りました。一方で、新たな変異株の感染が世界的に拡がり、油断を許さない状況は今もなお続いています。コロナを完全に克服したと言うにはもう少し時間が必要そうです。Withコロナの中でのチャレンジが続きます。
コロナとの闘いが続く中、国際情勢も不透明さを増しています。昨年12月には米国が110の国と地域に呼びかけ、中国の権威主義、専制主義に対抗し、民主主義をどう守るかについて話し合う民主主義サミットが開催されました。世界は今、民主主義の国々と専制主義の国々とに大きく2分されています。また、世界共通の課題であるコロナ禍は各国の自国中心主義を強め、国際的な協調・連携をさらに滞らせるようになりました。
コロナの感染拡大の初期のタイミングにおいては、日本国内でマスクや医療資材などが手に入りにくい状況となりました。そのほとんどが輸入製品であり、世界中で需要が増したことによる影響でした。コロナワクチンについても輸入に頼るために、国内でコントロールできない不安定な状況でした。また、あらゆる分野で幅広く利用され、「産業のコメ」と言われる半導体も需要が急速に高まり世界的に不足しています。半導体も近年は輸入依存度が高いため、価格上昇や出荷遅れが生じ、人々の生活にも影響が出ています。
グローバリゼーションが進み、ヒトやモノ、カネが国境を越えて移動し、国際的な分業が当然の事のようになっていますが、有事の際には国内自給率の低いモノが入手できなくなるという潜在的にあったリスクが表面化しました。
今後、世界的な人口の増加や経済発展に伴い、食料や資源が不足し、国際的な争奪戦が起こるとも言われています。私たちが生活する日本や地域社会は国際社会の一部であるため、外部環境の変化が生活に大きな影響を与えます。仮に外部環境の変化が起こった時にも、食料やエネルギーなど生活を送る上で欠かせない必需品は地域内で自給できる状態であれば、その地域が受ける影響は少なく済むはずです。社会を維持するうえで必要なものは経済圏の中で作り、消費するという体制づくりが行われていれば、地域外でどんなことが起こっても大きな影響を受けない社会になるのではないでしょうか?持続可能で強靭な社会を実現する上で、地産地消を考えることが非常に大切だと思います。
地産地消の循環型社会を実現するためには、官が行う分野と民が行う分野があると思いますが、民が行う分野はビジネスとして競争力が高くなければ産業として成り立ちません。NSGグループでは、食や農の分野の産業発展を担う人材育成と研究に取り組む新潟食料農業大学を2018年に開学し、この春に最初の卒業生を社会に送り出します。また、更に高度な研究を実践できる人材育成を目指し大学院を開設いたします。
昨年アニメ・マンガ学部を加えた3年目を迎える開志専門職大学では、新たな事業を創造するリーダー育成を目指す人材やAI、I o Tなどの情報分野の高い専門性を身につけた人材の育成に取り組んでおります。昨年末には開志エンジェルファンド1号を組成し、学生ベンチャーの支援もスタートいたしました。
また、エネルギーの地産地消を考える上では、地球環境に優しいグリーンエネルギーに携わる人材が地域で求められますし、そうした産業分野のプレイヤーの増加も求められています。NSGグループでも積極的に関わっていきたいと思います。
NSGグループの「N」「S」「G」の文字には“New Sustainable Growth”「新しい持続可能な成長を」という意味があります。地域を活性化し、社会を幸福で豊かにすることを目指す事業創造や、地球全体の課題解決に資する事業創造による成長を目指し、今年も全力でチャレンジしてまいります。
皆様におかれましても、幸多い一年となりますことを祈念しております。 〆
<池田弘Facebookページにも掲載しています。>