北京冬季オリンピック・パラリンピックが間もなく開幕【コラム202】
間もなく冬の祭典「北京冬季オリンピック・パラリンピック」が開幕します。1年延期となった夏季大会の東京2020オリンピック・パラリンピックの約半年後に冬季大会が開かれるという異例のスケジュールでありますが、今度は雪や氷の上に舞台を移し、再びアスリート達の熱戦が繰り広げられます。
新潟はウインタースポーツ王国の一つとして、たくさんの選手が今大会も出場いたしますが、NSGグループにゆかりのある選手も4名出場します。
スノーボード・ハーフパイプ男子に出場する、ソチオリンピック、平昌オリンピック2大会連続銀メダリストで、東京オリンピックではスケートボードに出場した平野歩夢さんと平野海祝さん。同種目の女子には、平昌オリンピックで8位入賞を果たした冨田せなさんと冨田るきさんです。
4名の皆さんは開志国際高校の卒業生で、冨田せなさんと冨田るきさんは高校卒業後、全日本ウインタースポーツ専門学校に進学。るきさんは現在在籍中で、せなさんは卒業しチームアルビレックス新潟に所属して活動しています。
ご存じかもしれませんが、平野歩夢さんと海祝さんは兄弟、冨田せなさんとるきさんは姉妹の間柄です。海祝さんとるきさんは、兄・姉がオリンピックや世界の舞台で輝く姿を見て、自分もその舞台に立ちたいという思いを強く抱いたそうです。兄・姉の背中を追いかけ、今では世界最高峰の舞台で競い合うライバルにまで成長されました。
開志国際高校は2014年に新潟県胎内市に開校し、「医学」「国際」「アスリート」コースを柱に、真の国際人・リーダー・スペシャリストを育てる新しいコンセプトの高等学校です。アスリートコースでは、様々なスポーツの強化に取り組んでおり、その一つとしてスノーボード部があります。他にもバスケットボール部男子が2018年インターハイを優勝するなど、開校してまだ歴史の短い学校ではありますが、各部が目覚ましい活躍を上げています。
全日本ウインタースポーツ専門学校は、1999年に新潟県妙高市に「日本初の本格的なスキー・スノーボードの専門学校」として開校し、多くのウィンタースポーツアスリートを輩出してきました。年間6か月以上の長期にわたる雪上実習を盛り込んだ実技中心のカリキュラムと優れた実績のある講師陣による専門特化した教育を実施しています。同校の卒業生には、トリノ、バンクーバー、ソチ、平昌の4大会にスノーボードクロスやスロープスタイル、ビッグエアーで出場した藤森由香さん、平昌大会でスロープスタイルとビッグエアーに出場した広野あさみさん、トリノ大会でスキー・スラロームに出場した関塚真美さんなど数多くのオリンピアンを育てています。
チームアルビレックス新潟は、2004年設立されたスキー・スノーボードのトップアスリートによるチームです。前述の藤森由香さんやスキーアルペン競技で活躍した皆川賢太郎さん、広井法代さん、吉岡大輔さんなどがチームアルビレックス新潟に所属しオリンピックに出場されました。
新型コロナウイルスのオミクロン株が世界中で猛威を振るう中ではありますが、開催国の中国も大会の成功に向けて東京2020以上の厳戒態勢で臨んでいます。この大会に向けて全てをかけて励んできたアスリート達の最高のパフォーマンスが無事発揮されることを願っています。
オリンピックやパラリンピックなど、スポーツは私たちに感動を与えてくれます。アスリートの皆さんがひたむきに自分の限界に挑戦する姿、怪我との闘い、ライバルとの友情、家族やチームスタッフのサポート、選手一人ひとりがオリンピック・パラリンピックの舞台に立つまでにそれぞれのドラマがあり、そこから生み出される熱戦が私たちの心を揺さぶるのだと思います。
また、コロナ禍ではありますが、選手の出身地では、地元の誇りとして市役所に懸垂幕を掲げるなど、地域を上げて地元選手の活躍を応援しています。北京冬季オリンピック・パラリンピックでの日本選手や地元選手の活躍は、感染第6波で厳しい状況にある社会を明るい話題で元気づけてくれると思います。選手の活躍を目にして感動したり、自分も頑張ろうと思ったり、私たちに希望や勇気を与えてくれる事でしょう。それがスポーツの持つ大きな力だと思います。
1月に行われたワールドカップハーフパイプ第2戦では、平野歩夢選手が優勝、海祝選手4位、冨田るき選手が優勝、せな選手3位。第3戦では、平野歩夢選手が優勝、海祝選手8位、冨田せな選手が4位。世界のトッププロが集う招待大会のXゲームでは、平野歩夢選手が2位、海祝選手が3位、冨田せな選手が優勝と、それぞれ大きな大会で表彰台に乗り、オリンピックでのメダル獲得への期待も高まっています。
2月4日から開幕する北京冬季オリンピック、3月4日から開幕するパラリンピック、どんな感動のドラマがあるのか非常に楽しみです。 〆
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