新潟の至宝が世界へチャレンジ【コラム208】
アルビレックス新潟の主力選手として活躍していた本間至恩選手が、この夏、ベルギーの名門クラブ・ブルッヘに移籍いたしました。クラブ・ブルッヘは、ベルギーの1部リーグを3連覇し、UEFAチャンピオンズリーグへの出場権も有する強豪チームです。
本間選手は、幼少期からアルビレックスで育ち、才能を開花させた21歳の若者です。6歳の時にアルビレックスのサッカースクールに通い始め、アルビレックス新潟のU15、U18に所属。ジャパンサッカーカレッジ高等部2年の時、当時J1だったアルビレックス新潟トップチームに2種登録され、クラブ史上最年少で公式戦デビューを飾りました。軽快なタッチと独特のリズム、瞬発力で相手ディフェンダーを置き去りにするドリブル突破が特徴の選手で、主戦場である左サイド前線でボールを持つとスタジアム全体の期待が高まるというほど。いつからか「新潟の至宝」と呼ばれていました。
アルビレックス新潟のアカデミー出身で海外リーグで活躍した選手としては、現在ヴィッセル神戸に在籍する酒井高徳選手がいます。高校時代にアルビレックスユースに入団し、3年生の時にプロデビュー。アルビレックス新潟でサイドバックとして活躍した後、ドイツのブンデスリーガに渡り、VfBシュトゥットガルトとハンブルガーSVで活躍。日本代表としてワールドカップにも出場しました。
アルビレックス新潟は今シーズンここまで首位争いを演じていますが、本間選手はその原動力の一人でした。これから迎える終盤戦のことを考えれば、本間選手が抜けるのは非常に厳しいのですが、サッカー選手として更なる成長を求めて海外リーグにチャレンジしたいという気持ちを尊重し、それを応援したいという気持ちでいます。
本間選手の移籍については、メディアでも大きく取り上げられました。新潟で成長しその才能を開花させた若者が、更なる高みを目指して世界にチャレンジすることは、サッカー少年や少女に夢を与えてくれました。また、サッカーに限らず地域の人々に良い刺激を与えてくれたと思います。
ベルギーリーグは欧州のビッグクラブでの活躍を夢見るサッカー選手が集まる登竜門のリーグと言われることもあり、クラブ・ブルッヘはそこで優勝を重ねるチームです。激しいポジション争いを勝ち抜くためには、より一層の努力が必要な環境と思いますが、新潟で身につけた技術に更に磨きをかけて、チャンスをつかみ取り、本間選手が活躍するニュースが日本に届くことを願っています。
本間選手が世界の舞台にチャレンジするように、新潟の若い人達が様々な分野で一流を目指し成長できる環境づくりを、これからも応援していきたいと思います。 〆
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