今回も、前回までの記事に関連して、「ロジカルシンキング」という思考法を取り上げます。
前回までに取り上げた「クリティカルシンキング」「ラテラルシンキング」と合わせて「トリプルシンキング」と称されることもあります。
「ロジカルシンキング」は、広く社会人に求められるスキルの一つとして語られるシーンが多いです。
仕事や事業に限らず、日々の生活の中で意識して取り組むことによって鍛えていけるスキルですので、
いま一度内容を整理して考察しておきたいと思います。
ロジカルシンキングとは、物事を論理的に整理して考え、筋道を立てて問題の解決策を導き出す思考法です。
ビジネスをはじめ、日常の課題解決にも役立つスキルであり、情報を整理し、複雑な問題を分解しながら、最適な結論を導くために用いられます。
ロジカルシンキングは、起業や新規プロジェクトの立ち上げの際にも有効です。
例えば、新しい市場に参入する際には競合状況や顧客ニーズなどの情報を分析し、自社の強みや課題を洗い出すことが必要です。
ロジカルシンキングを駆使することで、物事の全体像を正確に理解し、効果的かつ現実的な戦略が立てられます。
ロジカルシンキングを身につけることには、多くのメリットがあります。
特にビジネスにおいて、迅速かつ適切に行動する力は重要です。
ロジカルシンキングは、データ分析や仮説検証、戦略立案などに活用でき、確実な成果を目指す上で非常に強力な武器となります。
様々なステークホルダーに合意形成を求める場合においても、容易にことを運ぶ一助となります。
ロジカルシンキングに基づく問題解決は、以下の4つのステップで進められます。
最初に解決すべき問題を明確に定義します。表面的な課題に惑わされず、根本的な原因を探りましょう。
例えば、「顧客数が増えない」という課題であれば、「顧客のニーズに応えられていないのか」「競合との差別化ができていないのか」
など、原因の可能性を掘り下げます。このように本質を突き止めることで、適切な解決策が見つかりやすくなります。
次に、問題を構成要素に分解し、原因と結果の関係を整理します。
例えば、顧客の購買行動が変わったことが売り上げ低迷に繋がっている場合、その原因となる要素をひとつひとつ洗い出します。
このプロセスでは、「ロジックツリー」などを使い、問題の構造を可視化することが役立ちます。
問題を整理したら、実際の解決策を具体的に計画します。
計画には、解決策の手順やスケジュール、リソース配分が含まれます。
計画段階でリスクや障害を予測し、必要な対策も検討しておくことで、スムーズな実行が可能になります。
計画が立ったら実行に移しますが、その際には効果測定が欠かせません。
実行後、設定した目標に対して成果が達成されているかをデータなどで検証し、必要に応じて改善します。
PDCAサイクルを活用し、改善の余地があれば軌道修正を行い、解決策をより良いものにしていきます。
ロジカルシンキングは、意識して鍛えることでさらに精度が上がります。以下の方法を日常に取り入れてみましょう。
ロジカルシンキングを実践するためには、ビジネスフレームワークを使うのが効果的です。
「SWOT分析」や「PDCAサイクル」などを活用することで、考えを整理しやすくなり、課題解決や戦略立案に役立ちます。
他者とディスカッションすることで、自分だけでは気づかなかった視点や新しい発見が得られます。
ビジネスパートナーや起業家コミュニティでの意見交換は、自分の考えを論理的に整理し、外部の視点を取り入れるために有効です。
自分の考えや行動に対して、家族や友人、同僚からフィードバックをもらうことも、
ロジカルシンキングを鍛えるための有効な手段です。
客観的な意見を受け入れることで、課題に対する新たな視点が得られ、思考の幅が広がります。
ロジカルシンキングは、起業やビジネスにおける問題解決に欠かせないスキルです。
問題の本質を捉え、論理的に整理して解決策を導くことで、リスクを抑えながら成果を高めることができます。
また、ロジカルシンキングを習得すれば、コミュニケーションや意思決定の場面でも役立ち、あらゆる場面で力を発揮できるようになります。
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