旅行業界を志望していた私が
検定試験の会社で営業職をしている理由。
営業職で経験値を積み上げ中。
新潟県上越市出身。専修大学文学部卒。新型コロナウイルスの発生を機に、Uターン就活を決意。2021年に新卒入社後、株式会社サーティファイ事業推進部に配属。営業として、全国の教育機関に検定試験の導入提案などを担当する。
コロナで生活が一変。大好きな地元に帰りたいと思った。
東京の大学に進学した。英語や海外の文化について学ぶためだ。通っていた学科では、旅行代理店などに就職する人が多く、当時の自分も同じ業界を考えていた。大学4年生の春、世界中で新型コロナウイルスが発生。検討していた旅行業界は、どこも新卒採用を取りやめた。就活も、自分の生活も一変した。孤独な時間を過ごす中で実感したのは、地元・新潟で暮らす家族や友人のあたたかさだった。これから自分はどうしたいのか。ぐるぐると考えていく中で、頭の中に「地方創生」という言葉が浮かんだ。
新潟には美しい自然がある。おいしいものが揃っている。やさしい人たちが住んでいる。でも、県外の人に新潟の良さがあまり知られていない。新潟の魅力を発信したい。地方と都市を繋ぎたい。でも、具体的な案は浮かんでこない。ならば、地元で働いてみよう。地元の人に接しながら、地方創生の方法を見つけていこう。気になった企業の1つがNSGグループだった。名前は知っていた。塾や学校を経営する会社だと思っていた。説明会に参加してイメージが大きく変わった。教育ひとつ取ってもかなり幅広い。教育以外にも商社、広告代理店、医療、福祉、スポーツ…。事業領域の広さとグループ会社の多さに驚いた。ここで仕事をすれば、様々な業界で活躍する人たちとのつながりができる。自分の知見が増えていく。地方創生がしたい、というぼんやりした夢を叶えるための道筋が見えた気がした。
配属先は検定試験の提供会社。先生たちとの商談に苦戦する日々。
配属先は株式会社サーティファイに決まった。教育ソリューションメーカーとして、7分野26種の資格検定やWeb受検のプラットホームなどの開発・販売を行っている。著作権関連の検定担当として、アニメやゲームの専門学校の先生たちにオンラインで商談する日々が始まった。誰もがSNSなどを通じてコンテンツが発信できる今、著作権はすべての人にとって身近で守るべきものだ。侵害してしまうと、損害賠償や刑罰の対象となることもある。だが、多くの専門学校で、著作権について学ぶことは必修化されていない。ほとんどの商談が手応えのないまま終わっていく。
自分の進め方がよくないのだろうか。毎日落ち込んだ。自分を変えたい。デキると評判の先輩に思い切って相談した。「先生たちは授業、生徒対応など常に忙しいよ。」まずは、今どんな状況か聞いてみる。授業に無理なく組み込める教材から紹介してみる。ときには、とことん聞き役になる。打ち手が次々出てきた。すごい。さっそく実践してみた。「あ、動画の教材いいな。」いつもと違う反応を示している気がする。別の学校で導入されていること、忙しい先生たちから好評なこと、国家資格にチャレンジする生徒が出てきたこと。役立ちそうな情報を伝えていく。画面の向こうで先生が前のめりになっていた。「それはいいね。」これまでにない達成感があった。にもかかわらず、なにか大事な視点を見落としている気がした。そもそもなんで、みんな資格なんか取るんだろう?検定試験の会社にいるのに、その本当の意味を理解できていなかった。
夢に向かって行動する人を応援する。それが検定試験の役割。
ある日、突然、答えらしきものが見えてきた。どんな先生も、生徒に対して本当に一生懸命。社会で活躍する人材になれるよう、カリキュラムを組み、入念に準備し、授業に臨んでいる。卒業に加えて、著作権の知識を持っていれば、生徒がコンテンツ制作の現場で活躍できる、という客観的証明にもなる。検定試験って、夢に向かって行動する人を応援するシステムのかも。合格すれば、その人は夢に一歩近づいたことになる。じゃあ私は、もっと先生やその先にいる学生たちの目線に立って話をしよう。合格した人がどんな業界で活躍しているか調べよう。先輩たちの商談も聞いて、いい伝え方を吸収しよう。仕事がどんどん面白くなっていった。
今は「リモートWebテスト」という試験の新しい受験方法の推進にも関わっている。「リモートwebテスト」とは、AIを活用して離れた場所でもオンライン上で公正・平等な試験を受けられるようにするシステム。サービスをリリースする告知動画にも出演した。今もYouTubeで公開されている。「あ、水澤さんが出てる動画見たよ」いろんな人から声をかけられるようになった。正直、照れる。でも、このシステムをみんなが知ってくれたらすごくうれしい。普及すれば離島に住む人も気軽に検定試験が受けられるようになるのだから。あれ?これって、地方と都市を繋ぐことにつながってない?まだ、どうなるかはわからない。でも、今はそれでいい。やっていることの一つ一つが、いずれ夢につながるかもしれない。だから、私は目の前にあることに全力で取り組んでいく。