地方の魅力を届けたい。
心に秘めていた夢が
いまかたちになる。
新潟をブランディングする。
2019年新卒入社。青山学院大学法学部卒。法律家を目指して法学部に進むも、地方でのボランティア活動を通して、地方創生を志す。入社後、NSGグループの広告代理店である株式会社アイ・シー・オーにて、営業やディレクションなどに従事。4年目からはユニットリーダーとして、価値創造と部下・後輩の育成に奮闘している。新潟県新潟市出身。
弁護士を目指す道から、地方の魅力を伝える担い手に。
法学部を選んだのは弁護士を目指していたから。しかし、学ぶうちに人の気持ちに寄り添いすぎる自分には、「熱い心と冷たい目」が必要とされる法律家の資質が合わないと感じるようになった。どこか違和感を抱えながら過ごしているなかで、転機となったのはサークルで参加したボランティア活動だった。農村での暮らしや農作業を通じて触れた地方の豊かさ。人の温かさ、食の恵み、暮らしの知恵。魅力的なものがたくさんあった。なのに、十分に伝わっていない。ネーミングやパッケージ、情報発信の方法次第で、もっと多くの人に届けられる可能性があるのに。では、どうすればいい?力がない自分が、ただ悔しかった。そんななかで就活がスタート。NSGグループとは、とある合同企業説明会で出会った。学習塾のイメージが強かったが、地方創生を掲げ、幅広い事業を展開していることを知った。特に広告代理店の仕事に心を惹かれたのは、メディアやクリエイティブを通じて地方の存在感を発信できると感じたから。パンフレットやWebサイト、テレビCMなど、多様なチャネルを活用し、地方の魅力をかたちにする力。その力をここで培いたいと思った。そしていつか、自分の手で地方の豊かさを多くの人に伝えたい。心が動いた。
4年目にユニットリーダーへ。小さなうれしさが紡ぐ日々。
入社後、まずは営業担当として、教育機関のプロモーションに携わる。パンフレット、Webサイト、テレビやラジオ、新聞、SNS広告、さまざまな媒体を通じて、専門学校や大学の学生募集を支える日々。アイ・シー・オーの営業とは、単に売るだけではない。企画を練り、制作を進行し、最後まで責任を持つ仕事。正直、うまくはいかないことの方が多い。それでも、ときどき訪れる小さな成功がうれしい。入社2年目、先輩からの担当引き継ぎの場で、お客様が先輩に対して「担当があなたから別の方に変わるのは辛い」と涙を見せた。こんなに信頼されるなんて。自分もそんな存在になりたい。その日から用事がなくても顔を出し、何気ない会話を大切にするようになった。メールのひと言にも、相手を気遣う気持ちを添えた。4年目には、ユニットリーダーに昇進。同じお客様を部下に引き継ぐ日、再び聞いた「担当があなたから別の方に変わるのが寂しい」という言葉。胸が熱くなった。自分は一人で悩みを抱え込むことが多かった。だからこそ、メンバーの声にならない思いをすくい取ってあげたいと願う。日報の何気ないひと言からも、何かが伝わる瞬間がある。「(上司が)小波さんだから頑張れました」という言葉をくれたメンバーがいた。いろんな小さなうれしさが、次の日への力になる。
眠っていた夢が、静かに動き出した。
日々の業務に追われながら、心の奥底にしまい込んでいた「地方の魅力をリブランディングする」という夢。その夢が、ある日思いがけないかたちで目を覚ました。新潟市が進める「にいがた2km×8区連携オープンイノベーション推進事業」によって創出された「ハチク★キッチン」プロジェクト。新潟市内8区それぞれの特産品や魅力を発信する。上司から「小波にやってもらいたい」と声をかけられた瞬間、胸の中で眠っていた想いが揺り起こされた。駅構内や市街地周辺のサイネージなど、新潟ならではの媒体を厳選し、限られた予算で最大限の効果を模索する。地元企業や団体と協力しながら、次第にプロジェクトの輪郭が浮かび上がっていく。ときにはチームの方向性を修正する提言もした。「短期的な成果ではなく、特産品の成長を長期的に見守りましょう」。そんなビジョンが、プロジェクト全体を前向きな方向へ導いた。かつて農村で感じた、もどかしさと情熱。いま、それが確かに成長した自分を通してかたちになり始めている。地元の産物、土地の物語。それらを伝える言葉の一つひとつが紡がれ、つながり合う。新潟の価値を再発見し、全国、そして世界へ。静かに力強く、夢が動き出していく。