
病院経営の裏方として、
現場と経営を結び、
地域医療の未来を切り拓く。
病院経営の裏方として。
新潟医療福祉大学医療情報管理学部を卒業後、2018年新卒入社。主に急性期の病院で医療従事者が働きやすい環境づくりなどに従事。入社6年目には、2024年からNSGグループの医療法人愛広会が指定管理を担う県立吉田病院へ異動。医事課の担当として、地域医療の未来を支えるため、診療報酬制度の活用やデータ分析を通じて病院経営の改善に関わる。
医療事務という仕事に、自分の適性を見出した。
子どもの頃は体が弱く、病院は常に身近な存在だった。その影響で自然と医療分野に興味を持ち、医療事務という仕事に魅力を感じるようになる。病院経営を支える裏方の役割に自分の適性を見出し、新潟医療福祉大学に進学。医療分野全般について幅広く学ぶ中で、医療従事者不足や高齢化社会への対応、医療機関同士の連携不足など、地域医療が抱える多くの課題を目の当たりにし、この分野で地域に貢献したいという思いが深まった。就職活動で参加したNSGグループのインターンシップでは、教育と医療が連携している仕組みや、地域医療にインパクトのある大型プロジェクトが進行中であることを聞き、胸が躍った。入社後は、新潟リハビリテーション病院の医事課での経験を経て、中条中央病院の総務課に異動。院内はもちろん、新たにNSGグループに加わった福祉施設のインフラ整備など、医療や福祉のスペシャリストたちが働きやすい環境づくりに携わった。新型コロナウイルスの感染拡大という未曾有の事態にも直面。消毒用アルコールやアクリル板といった物資の調達にあらゆる手段を尽くした。目の前の患者さんを守るために何ができるか。理想だけでは済まされないシビアな現実と向き合ったことで、仕事に向き合う決意は確固たるものとなった。
入社6年目の決意。新しい環境での挑戦。
全国最下位の医師充足率などに直面する新潟県は、地域医療構想に基づく医療体制の再構築を進めている。その一環として、2024年4月、新潟県が運営する県立吉田病院はNSGグループの医療法人愛広会が指定管理者として運営をすることになった。その新しい環境へ自ら医事課の担当として異動を希望したのは、地域医療に貢献したいという強い思いから。とはいえ、入社以降、医事課での経験値は高いとはいえない。提供された研修機会だけにとどまらず、大学時代に学んだ診療報酬点数表を見直し、経営改善の実例も勉強し続ける。以前の職場の先輩を訪ねて質問攻めにしたこともあった。医事業務の中核には、診療報酬制度を活用して病院の持続可能性を支えるという役割がある。「失敗してもいいからチャレンジしてほしい」という事務長の言葉を胸に、就任早々から診療報酬加算取得に向けた提案に取り組む。現状を分析し、まずは取りこぼしている加算はないか、取り組み1つですぐにでも取得に繋がるものはあるか、精査して提案を行う。健康診断事業の新規立ち上げにも一部携わった。加算取得には、基準を満たす人員配置や業務フローの整備が欠かせず、厚生局への届け出や条件確認など慎重な対応が求められた。正確性はもちろん、経営視点や発想力も必要とされる。見据えるのは地域医療を支える持続可能な未来。挑戦が始まった。
地域と病院をつなぐ、医療事務の使命。
過去のデータを分析し、利用患者数の推移とその理由を明らかにする。同時に、地域住民が求める医療ニーズを把握し、それを病院全体の収益向上やサービス改善に結びつける案を模索する。また、県立吉田病院では地域の開業医を訪ね歩き、連携の可能性を探る地道な活動も続けている。今後は新しい医療体制にふさわしい組織文化の醸成にも注力したい。現場と管理部門が一体となって病院の方向性を共有することで、効率的な運営を実現するだけでなく、チーム全体が患者や地域に貢献できる環境を整える。こうした取り組みは、病院経営の改善にとどまらず、地域医療や街づくりにも大きく寄与するはずだ。たとえば、予防接種の実施頻度を見直すことで、利用者が増えると同時に、地域全体の健康状態が向上する可能性が高まる。医療事務に携わることの真の意義は、地域社会全体を見据えた戦略的な提案を行い、経営層の意思決定を支えることにある。いくつものwin-winを生み出し、地域と病院をつなぐ架け橋となりたい。「病院経営の裏方として地域医療に貢献したい」。あの日見ていた夢のカタチが、いまははっきりと見える。この仕事に出会えて、本当によかった。