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2025/02/07

【起業家コトハジメ】#15 リスクと対策

今回は前回に引き続き「リスクマネジメント」について具体的なリスクと対策例を紹介致します。

 

企業活動を取り巻く環境は日々刻々と変化しています。

この変化の中で、企業が直面するリスクは多様化し、その影響範囲も拡大しています。

今回は、企業が日常的に直面しやすいリスクの具体例を挙げ、それに対する対応策を具体的にご紹介します。

 

これらの対策は、企業としての信頼性を守る基盤となり、長期的な成長を支えるものとなります。

 

1.リスク例と具体的な対応策

 

1-1.情報流出

【リスク背景】

デジタル化が進む現代において、サイバー攻撃や内部不正など、情報漏洩のリスクはますます高まっています。一度情報が漏洩すると、企業のブランドイメージや顧客信頼を大きく損なう恐れがあります。

【対応策】

《技術的対策》

  • アクセス権限の細分化(業務に必要な情報のみを閲覧可能にする)
  • データ暗号化技術や多要素認証の導入
  • セキュリティパッチやソフトウェアの定期更新

《人的対策》

  • 社員向けの定期的なセキュリティ教育(フィッシングメールへの注意喚起など)
  • 内部不正の兆候を把握するための監視体制の構築

《プロセス的対策》

  • 情報漏洩時の緊急対応計画の策定
  • 年次のセキュリティ監査やリスクアセスメントの実施

 

1-2.粉飾決算

【リスク背景】

経営状態を実際以上に良く見せる行為は、短期的な利益の確保を目的としがちですが、長期的には法的制裁や信用失墜のリスクが伴います。粉飾決算は企業だけでなく、投資家、取引先、社員など多方面に悪影響を及ぼします。

【対応策】

《内部統制の整備》

  • 責任分担を明確化し、会計業務におけるチェック体制を複数段階で構築する(分離の原則)

《外部監査の活用》

  • 外部監査法人による透明性の高い監査を受ける。

《倫理教育の徹底》

  • 全社員に粉飾決算のリスクを認識させる教育を実施し、違法行為を行わない組織風土を醸成する。

 

1-3.ハラスメント行為(パワハラ、セクハラなど)

【リスク背景】

ハラスメント行為は、職場環境の悪化や人材流出、訴訟リスクを引き起こします。特にSNSでの拡散により企業イメージに悪影響を与えるケースも増えています。

【対応策】

《ポリシーの策定と周知》

  • ハラスメント防止規程を明確化し、全社員に共有する。

《教育の実施》

  • 管理職や一般社員向けに、定期的なハラスメント防止研修を行う。

《相談窓口の設置》

  • 匿名で相談できる窓口や外部専門機関と提携したサポート体制を整える。

 

1-4.組織、従業員の法令違反(コンプライアンス)

【リスク背景】

法令違反が発覚すると、社会的信用が大きく損なわれ、事業継続が困難になるケースもあります。最近ではサプライチェーン全体のコンプライアンスも問われる時代になっています。

【対応策】

《コンプライアンス教育》

  • 定期的な研修やeラーニングを通じて、全従業員の法令遵守意識を向上させる。

《内部監査の実施》

  • 従業員の行動やプロセスの監査を定期的に実施し、リスクの兆候を早期に発見する。

《通報システムの整備》

  • 匿名で通報できるホットラインを整備し、従業員が問題を報告しやすい環境を提供する。

 

1-5. 顧客のクレーム

【リスク背景】

クレームは適切に対応しないと、口コミやSNSを通じてネガティブな情報が拡散され、企業の信頼が損なわれます。

【対応策】

《顧客対応のマニュアル作成》

  • クレーム対応の基本ルールを策定し、迅速かつ誠実な対応を徹底する。

《従業員教育》

  • 顧客対応力を向上させるトレーニング(謝罪の仕方、適切なヒアリングスキルの習得)を実施する。

《クレームデータの活用》

  • クレーム内容を分析し、商品やサービスの改善に活かす体制を構築する。

 

  1. まとめ

リスクマネジメントは、単なるリスク回避策ではなく、企業の持続可能性を高めるための必要な「投資」として捉え方が必要です。具体的な対策を講じることで、リスクの発生を最小限に抑え、従業員や顧客、社会との信頼関係を強化することが可能になります。

 

  1. むすびに

変化の激しい現代社会では、リスクマネジメントの継続的な見直しが不可欠です。企業全体でリスク対応の意識を共有し、お客様や社会に信頼される企業として成長し続けるため、全社一丸となって取り組むことが求められます。今後とも、リスクへの柔軟な対応と堅実な経営を通じて、社会に貢献し続ける企業を目指していきましょう。

 

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