- ニュース&トピックス
【国際自然環境アウトドア専門学校】2,300人以上の専門学校生に提供したアウトドア研修のノウハウを活用し、企業の新卒内定者研修として「チームワーキング」をインストールするプログラムを開発し提供!
- 事業領域
- 専門学校
新潟県妙高市で自然を活用した専門人材育成を19年に渡り行ってきたNSGグループの国際自然環境アウトドア専門学校は、同グループの持株会社である株式会社NSGホールディングス(新潟県新潟市)の新卒内定者に向けて、2023年10月1日(日)に「チームワーキング」の理論を活用したアウトドア内定者研修を提供いたしました。
■研修実施の背景
本研修は、株式会社NSGホールディングスが内定者向けに行っている人材開発のチームビルディングプログラムとして実施されました。内定者たちは事前に対面による顔合わせや交流プログラムを経ており、今回の研修では、下記3点を目的とする旨、人事部新卒採用担当からオーダーをいただきました。① 内定者同士の信頼感や連帯感の醸成
② 積極的、主体的に助け合える関係構築
③ チームでの課題解決を通した達成感の獲得
国際自然環境アウトドア専門学校では、2023年4月より同グループ内の専門学校生を対象とした「誰でも参加できるアウトドア研修プログラム」を新たに開発し提供してきました。この研修では、学生一人一人が主体的に学び、仲間と充実した学校生活を送るために必要な人間力を育成するプログラムをデザインし、これまで、美容や医療、ファッションをはじめ、スポーツまで様々な専門分野の23校117学科2356名の学生を受け入れてきました。
事後アンケートでは、満足度だけでなく、プログラム自体や講師の評価も高く、その実績を受けて今回同校に依頼をいただきました。
■アウトドア研修による課題の解決
本研修では、立教大学の中原淳教授、田中聡助教のご著書「チームワーキング」*1の理論を取り入れました。その理由として、①今後VUCA社会で活躍する内定者に向け、本質的な学びを効果的に提供できる、②研修の目的(上記3点)もチームワーキングの3つの視点「チーム視点」「全員リーダー視点」「動的視点」の獲得により達成される、ことが挙げられます。
本研修では、人材研修では初のエコロジカルアプローチ*2をベースとしたプログラムデザインとし、画像1に示すような研修環境で参加者にチームワーキング3つの視点に沿った学習が得られること、研修後も学びや気づきを反映させた行動変容が見られることを目標に設計しました。環境設計としては、国際自然環境アウトドア専門学校(新潟県妙高市内)のキャンパス内キャンプ場をメインに、校舎施設とsnowpeak製のテント・タープを活用した「半アウトドア環境(誰もが自然環境のメリットを安心・安全に享受できる研修環境)」で実施しました。
タスク設計としては、キャンプ活動を主体としたアウトドアの直接的な共同体験と不便益がもたらす「不便だからこそ人と人の関わり代(プロセス)が増える」課題提供を行い、研修目的に沿った実践を促進しました。人に関する設計としては、事前事後のフォローを通して参加者1人1人について把握を行いプログラムへ反映させ、実践の中では多様な関わりを通した学びの促進と深化を行いました。それらの学びや気づきを日常での行動に繋げ、入社後に活かせるようにするために、研修の事前・本番・事後のプロセスにおいて、一貫した学びの支援を行いました。
■研修プログラムの内容
本研修では、3時間のチームビルディングプログラムとして、チームワーキング3つの視点「チーム視点」「全員リーダー視点」「動的視点」の獲得を目指しました。メインの活動では、3つの内定者グループそれぞれにファシリテーターが帯同し、学びの促進・深化と安全管理を行いました。
1.アイスブレイクとガイダンス
画像2のような屋外での身体接触をメインとしたアイスブレイクを実施しました。その後、画像3のように落ち着ける校舎内で研修の目的やチームワーキング3つの視点についてガイダンスを実施しました。
2. 協働ワーク① 対話を活用したワーク
研修前に、参加者アンケート『あなたにとっての「チーム」のイメージを教えてください』を実施。この回答を元に抽出した「チームに関する価値観」の言語カードを30枚作成。開放的なアウトドア環境で対話型ワークショップを行い、今回の参加者から生まれたこのカード教材をグルーピング+構造化しました。(画像4)。ワークの中では、「本当に価値観の異なる多様なメンバーが集まっていることが分かった」「多様性の高いチームがワークする核となるのはコミュニケーション(e.x. 自己開示や他者理解)なんだと気づいた」と言った声が聞かれました。
3.協働ワーク②「ヒューマンUFOキャッチャー」
芝生のフィールドに置かれたアイテム(おにぎりの具材)を、道具を使わずに自身の身体とチームワークで獲得する課題にチャレンジしました(画像5)。
4.協働ワーク③「仲間にふるまうおにぎり作り」
「同じ釜の飯を食う」という五感を活用した共通体験をコンセプトに、画像6のように協働ワークとしておにぎり作りを行いました。自分で握ったおにぎりは他のメンバーが食べる仕組みで、地元産新米コシヒカリのおにぎりは大好評でした。
5.セルフ+チームリフレクション
個人での内省として、焚き火を囲んだ屋外環境下でオンラインツール「Forms」で作成したアンケートにスマホで入力。その後、キャンプ空間で気づきをシェアしました。最後は、校舎内ロビーにて内定者全員でチェックアウトを行い、同期となる仲間全体でシェアする機会を設けました。人事担当者からも、『一気にメンバーの距離が縮まり「心理的に安全な」チームが形成されたのは大きな成果でした』とコメントをいただきました。
■事前・事後のフォロー
今回の研修では、参加者に事前アンケート、研修直後アンケート、研修レポート、事後アンケートを実施し研修の効果を高めました。
1. 事前アンケート
参加者の基本情報の他、「つながり/仲間意識」「チームの必要性」「自己開示」「他者理解」「情報共有(コミュニケーション)」「批判的思考」「フィードバック」「成長マインド/自責思考」「成長マインド/柔軟性」の9項目に関する 6段階評価。「リーダー」「チーム」に関する価値観の記述式。そして、参加者理解の一助として参加者の性格や多様性を検査したMBTI診断 *3を実施し、特性を16タイプに分類しました。研修では、これらの情報を活用し「多様性が高くなるグループ」となるように意図的に編成し、研修の効果を高めました。
2. 研修直後アンケート
研修が終了した直後に、チームワーキングに基づく学びや気づきを促進、深化するためのアンケートを実施しました。項目としては、「今後の自分の仕事や生活との関連度」「今後の自分の仕事や生活への有用度」「自己効力感(I can)」に関する5段階評価、および研修を通じた「学びと気づき」、「どんな場面で活用できそうか」に関する記述式の設問を採用しました。また、事前アンケートのチームに関する5項目「つながり/仲間意識」「チームの必要性」「自己開示」「他者理解」「情報共有(コミュニケーション)」にも再度回答してもらいました。
3. 研修レポート
研修後2週間を目処に、研修での学びの可視化と一般化、さらに行動変容を促進するために研修成果をまとめたレポートを作成し、参加者全員にリマインドメッセージとして配信しました。
4. 事後アンケート
研修後1ヶ月を目処に、参加者全員に2回目のリマインドメッセージの配信と、参加者の日常での学びや気づきを反映させた行動を促進するための事後アンケートを実施しました。
■研修の効果
今回の研修を通して、
① チームに関してのさらなる意識の向上が見られました。図1:「つながり/仲間意識」「チームの必要性」「自己開示」「他者理解」「情報共有(コミュニケーション)」の5項目すべてにおいて、もともと高かった事前の得点よりも事後の得点が増加(6点満点の事前79%~90% ⇒ 事後88%~98%)。
② チームワーキング3つの視点「チーム視点」「全員リーダー視点」「動的視点」の理解を通して、新たなチーム観の獲得が伺えました。図2:3つの視点全てが評価点5.7点以上(6点満点の95%)
③ 研修直後のアンケート「どんな場面で活用できそうか」より、参加者が今回の学習(学びや気づき)を具体的な活用場面や一般化された場面に紐づけて言及しており、日常への転移の可能性が高い結果となりました。以下参加者コメントの抜粋。
・誰もがリーダーシップをとること。コミュニケーションをとって、情報共有をする大切さを実感した。今所属している部活動に足りないところを見つけることが出来たので、チームに持ち帰り情報共有をしたい。
・絶対的なリーダーがいなくても、メンバーひとりひとりが周りの状況をみながら最善を尽くすことで目標が達成できる時もある。今後チームで業務に取り組むとき全てで活かせそう。
・色んな形のリーダー、チームがあって、状況や状態、メンバーをみながらチームも変わっていくことが大切だと感じた。また、だからこそ色んな個性が集まることが大切だということ。学校生活や社会人生活で活かせそう。
・チームワークの大切さはもちろんのこと、お互いの意見や考えを尊重することの大切さを学んだ。今回はチームというところがポイントだと感じたが、日常生活の上でも通じるものがあると思った。人と関わるうえでは常に意識していきたいと感じる。
・コミュニケーションをとりながら、試行錯誤を重ねてよい解決方法を探ることの大切さを学んだ。1人で仕事を全て行うことはなく、色んな場面で様々な考え方を持った人たちと協働すると思うので、そういった場面で活きそうだと思った。
・リーダーシップのあり方はいろいろな形があること。とりあえず動く・試すことに大きな価値があること。生活のあらゆる場に生きると思う。
④ 約1か月後の事後アンケートより、研修での学びが実際の行動につながった事例(研修転移の成果)を抜粋。
・10人ほどで実施した大学のプロジェクトにて、参加者全員が各々の授業等の合間を縫いながら徐々にプロジェクトを進行させました。短期集中のプロジェクトであるが故、終盤直前に事態が急変し、急遽代案を立てて遂行した場面はあったものの、結果としてチームが設立時に求めていた目標を無事手にすることができ、その結果の喜びをチーム全体で共有することができました。
・塾講師のアルバイトにおいて、自らが担当していない生徒の課題について講師と社員が話しているところに適切なタイミングで会話に参加し、意見を述べるということをしました。ここでは、「チーム視点」に関する学びを活用し、たとえ自らが担当していなくても、塾全体でその生徒の志望校合格に貢献するという観点のもとで自らが持つ知識を提供するように努めました。
・インターン先の企業での活動で、自分はリーダーではありませんでしたが、自身もリーダー視点を持って
リーダーシップを発揮して活動することができました。イベント準備の進捗が少々遅れている場面で、リーダーに判断を委ねるのではなく、自分自身が計画の進捗をメンバーで確認する機会を設けたことで、遅れが解消されました。結果的に、当日のイベントも滞りなく終えることができました。
・アルバイト先で、人手不足にも関わらずやるべきことが多かった時に、店長の指示を待たなくても学生アルバイトの皆でどうすれば仕事が効率良く終わるか考えながら、自分の役割分担以外のところも協力し合って取り組みました。これはチーム視点や全員リーダー視点が活用できたと考えられます。結果、終わらないと思っていた大量の業務が終わり、アルバイト同士の信頼関係が深まりました。
■研修のお問い合わせ
国際自然環境アウトドア専門学校では、企業向け社会人向けの研修プログラムも承っております。19年に渡る自然を活用した教育実践のノウハウを活かし、人材開発および組織開発に関する様々な課題に誰でも参加できるアウトドア研修環境でアプローチいたします。また、人材研修では初のエコロジカルアプローチ*2を導入したプログラムデザインで、参加者の能力や行動を引き出すアウトドア研修が強みです。
以下よりお問い合わせください。
■メール
i-nac.kenshu@nsg.gr.jp
■電話
0120-537-010
■参考文献
*1:中原淳、田中聡 (2021) 「チームワーキング ケースとデータで学ぶ『最強チーム』のつくり方」 日本能率協会マネジメントセンター
*2:植田文也(2023) 「エコロジカル・アプローチ 『教える』と『学ぶ』の価値観が劇的に変わる新しい運動学習の理論と実践」 ソル・メディア
*3:イザベル・ブリッグス・マイヤーズ(2021) 「MBTIタイプ入門 第6版」 JPP株式会社
■国際自然環境アウトドア専門学校のこれまでの取り組み
・今年4月にスタートした研修事業部が、様々な専門分野を網羅する2,300人以上の専門学校生に快適なキャンプ空間で「チーム」と「セルフ」を学ぶ宿泊型研修を提供!https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001250.000032951.html
・企業の人材育成に生かす「研修型ワーケーション」の事例─Work Educationがもたらすもの
https://myoko-workation.jp/column/work-education-value/
・妙高ワーケーションセンター ツラい「サバイバル研修」との違いとは? 自然が「ビジネスの学び」に変わる仕組み」
https://myoko-workation.jp/column/i-nac/
・日経ワーケーション会議 in 妙高 「新しい働き方と自然を生かす地域創生」https://drive.google.com/file/d/1Jf_Oul_Csqzf_6rM0TzUBOEOlZTkPOdh/view
・「野遊び」を社会に広める人材の育成事業に、アウトドアの専門学校がコンサルティングを始めます!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000546.000032951.html
・新潟県スポーツ公園で2年連続となる「都市公園でテント宿泊するキャンプ」を開催キャンプデビューのハードルを下げ、公園が自然と触れ合う入り口に
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001094.000032951.html
・産学連携企画「妙高はねうまイノベーションカレッジ」に参画し社会課題の解決へつながる商品/サービスの提言を行います
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001106.000032951.html
・世界のトップマウンテンリゾートを目指し7月にオープンしたEN Resort Grandeco(福島県)に、学生から新たなコンセプトや体験価値を授業の一環としてプレゼンhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001134.000032951.html
国際自然環境アウトドア専門学校
所在地: 新潟県妙高市原通70
学校長: 大瀧則雄
URL: http://www.i-nac.ac.jp/
TEL: 0120-537-010
e-mail: i-nac@nsg.gr.jp
- 事業領域
- 専門学校