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アメリカンフットボールを通じた地域活性化プロジェクト。 「胎内DEERS」を通じて、 ホームタウン胎内市の活性化に挑戦。
― これまで胎内市でどのような活動を行ってきましたか?
高橋 7月にホームタウン移転の記者会見を行いました。会見には選手の代表数名と胎内市の井畑市長にもご参加いただきました。その1ヶ月後にチームが胎内市に訪れて市内を巡り、豪雨災害の発生した地域の復旧支援にもチーム全員で加わらせていただきました。翌日には公開練習を行い、市内外から多くの方から訪れていただき、交流を図りました。その後は、当チームの公式戦のパブリックビューイングを行っています。胎内市から活動支援をしていただいています。
胎内市の豪雨災害の復旧活動
10年後を見据えた胎内市活性化プロジェクト
― クラブ運営に際してどのようなビジョンを?
高橋 スポーツクラブの根本の価値とは何か?あくまで持論ですが、クラブがその地域にないまま過ごした10年後と、クラブが誕生して変わった10年後の差が価値だと考えています。将来的には日本の多くの地方の街の人口は減少し衰退していくというのが一般的な考え方です。しかし経済を活発にしていけば街は持続する。ではそのために私たちスポーツクラブに何ができるか。その答えの一つが、地域外の経済圏との繋がりのサポートです。当クラブが移転してくることで、東京の経済圏を胎内市に引っ張り込むイメージです。アクセスできる経済圏を増やしていけば、経済は上向く可能性がある。それが10年後の違いを生み出す大きな柱だと考えています。
― 具体的にはどうような施策を?
高橋 例えば「企業版ふるさと納税」の活用です。胎内市と連携し、アメリカンフットボールを通じた地域活性化に対してこの制度の適用をしていただくことができました。この制度は企業が胎内市に寄付をしていただくと、かなりの税制上の控除が受けられます。もともと東京を本拠地にしてきたクラブで、アメリカンフットボール関係者も関東圏・関西圏が多いという特徴が、この制度を活用する上で効果的になる施策です。アメリカンフットボール関係以外でも、地域外との連携を取りやすくなります。
― なかなかユニークな取り組みですね?
高橋 サッカーや野球と違い、アメフトの競技人口や認知度は低いのが現実です。だからこそ、効果的にインパクトを残すには、他とは違う手法が必要で、さらに言えば、ここでしか成立しない手法にこだわった展開をしないと継続できないと思っています。現在、企業版ふるさと納税を活用しているスポーツクラブは、まだ数えるほどしかありません。また、このような手法をとるもう一つの理由は、当クラブの目的を達成するためです。多くのクラブは、チームを応援してもらうことを目的に普及活動を行っています。しかし私たちの目的は、ホームタウンの活性化。「地域の未来を作っていくために、アメリカンフットボールを通じて盛り上げていく」、そのようなイメージですね。
― そのほかにはどのような計画がありますか?
高橋 個人版のふるさと納税の活用や他の制度の活用を協議していて、胎内市の、特産品がよく売れる、観光客が増える、移住が増えてクラブと一緒に町おこしをする人が増える…。そういう変化を起こす取組を増やしていきたいと思います。また、最新の技術であるWeb3も地域活性化に大きな可能性があると考えており、こちらも企業との連携を協議しています。