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ボードゲームで子ども達が地域の魅力を語れるようにしたい

2022.04.26 Tue

地域の人たちと共に新しい地域文化を作りたい。

―第一弾で佐渡を選んだ理由は?

田宮 それはよく聞かれます。愛宕商事株式会社は新潟の地域商社として、佐渡も含め新潟全体を盛り上げなければいけないと考えています。その中でも佐渡は少子高齢化が進み、高校卒業と同時に9割以上の若い人が島外に出ていくなどの問題がある。佐渡を盛り上げることができれば、行く行くは新潟を、日本全体を盛り上げることに繋がっていくと考え佐渡に注目しました。
佐渡には歴史、食、自然、気候など様々な魅力がある。私を含めその魅力を知ると佐渡を好きになるのですが、その魅力を知る機会は少ないと感じました。多くの若い人は佐渡から出ていきますが、自分の生まれた地域の魅力を知って出ていくことと、知らないで出ていくこととは違うと思います。もし佐渡の魅力を知って出ていけば、また佐渡に戻ろうと思ったり、佐渡にいなかったとしても佐渡のために何かしようと思ったりするかもしれません。それで、まずは子どもたちに自分の生まれた佐渡のことを知ってもらいたいと思いました。

―制作には地域の方々の協力が不可欠だったとか。

田宮 私は企画担当をしましたが、「知域王」は教育委員会の方々、学校の先生、そして地域の皆さんと一緒に作ったものだと思っています。完成後は佐渡市に寄贈し、各小学校で「知域王」を使った授業が始まりました。ただ寄贈しただけでなく、私も授業に参加させてもらい「知域王」に込めた思いを話しました。小学校の先生から「子どもたちが作り手の顔を見ることができて良かった」との言葉を頂きました。そして昨年12月にはチャンピオン大会を開催しました。地域の人たち皆で開催したいとの思いから、佐渡市の地域おこし協力隊、佐渡市青年会議所、学校の先生、観光関係の方々など様々な方の協力をもらいました。このイベントは今年も続ける予定で、続けることで新しい地域文化に育てていきたいです。

―「知域王 新潟市版」が完成しましたね。

田宮 佐渡版は初めてということでの大変さがありましたが、第2弾の新潟市版の制作はそれとは違う大変さがありました。私の地元の新潟市のことなので知っていることが多いと思っていましたが、いざ色々な方のお話を伺っていくと、私の知らない新潟市の魅力がたくさん出てきました。たくさんの魅力をさらに知ることができありがたかったです。しかし、カードの枚数は決まっているため、どんなものを新潟市らしいものとしてカードに入れるかを難しかったです。それぞれの方が思い浮かべる新潟市らしいものに優劣はないですからね。
まずは、新潟市の教育委員会に相談し、学校の先生10名とワークショップを行いました。さらに新潟市役所の様々な部門の職員の方をご紹介いただき、2回目のワークショップを行いました。子どもたちのためにどんな魅力を取り上げるかの議論はとても白熱したことを記憶しています。まとめる作業はとても大変でしたが、多くの方にご協力いただき、色々な意見をもらって議論してまとめるという過程があったからこそ、良いものができたとの自負があります。皆さんのおかげで大変貴重な経験をさせていただけたことに感謝しております。

―これからの「知域王」の展望を教えてください。

田宮 色々な地域版を作っていきたいと考えています。「知域王」で遊んで学ぶことで、子どもたちが地域を誇れるようになったらいいなと思います。また地域という括りだけでなく、各地域にある文化や食や伝統工芸などPRしたいものを、発信する力になりたいです。デジタルの時代だからこそあえてボードゲームというアナログで発信することに可能性を感じています。

 

愛宕商事株式会社

新潟市中央区東堀通一番町494番地3 2階

TEL:025-228-4888

https://atago-corp.com/

教育、医療、福祉施設などへの物品の販売をはじめ、保険代理店、環境事業、旅行代理店、指定管理事業、調剤薬局、など多角的な事業展開を行っている。

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