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活動10周年! 学生が車椅子を修理し全国、世界へ。 新潟医療福祉大学「空飛ぶ車椅子サークル」

2020.03.13 Fri


新潟医療福祉大学・義肢装具自立支援学科の学生が中心となって活動する「空飛ぶ車椅子サークル(FWS: Flying Wheelchair Supporters)」は、2020年度で活動10周年を迎えます。家庭や病院、施設で使われなくなった車椅子を回収・修理し、全国、世界に届ける取り組みを軸に、高校生を対象とした修理講習会や利用者に関する研究、そして最近ではパラスポーツ用の車椅子整備に向けて新たな取り組みを行っています。
2018年には、社会福祉への貢献が称えられ、北越銀行賞を受賞。他大学や高校、社会福祉団体…大学の枠を超え、一人でも多くの方の笑顔のためにと活動の幅を広げる「空飛ぶ車椅子サークル」についてお話しを聞きました。

同サークル顧問の義肢装具自立支援学科講師・須田裕紀先生(写真左)と前田雄先生(写真右)。
12期代表・理学療法学科2年の本間圭太さん(写真中央左)、11期代表・義肢装具自立支援学科3年の鳥越佑香さん(写真中央右)

 


新潟から全国、世界へ車椅子を届ける!
活動を通じた発見・課題は学生の成長に
全国の工業高校が中心となり、車椅子の回収・修理を行うボランティア活動「空飛ぶ車いすプロジェクト」と思いを共に活動できたらと、同大学に「空飛ぶ車椅子サークル」が誕生したのは2010年のこと。
義肢装具自立支援学科が中心となり動き出しましたが、現在では理学療法学科、臨床技術学科、看護学科、社会福祉学科などメンバーの学科の幅も広がり、約70名が所属する組織にまで成長。主な活動は使用されなくなった車椅子を回収し、点検・修理を行い、国内外で必要とされる場所へと届けることです。

「車椅子が届いたらまずは清掃し、サビや汚れを取り除いてから点検。空気圧を見てタイヤを取り替えたり、ブレーキの調整などを行います。利用される方のことを考え、講義で学んできたことや先輩から受け継いだ知識・感覚を、後輩に伝えながら修理にあたっています。もっとこうしたらいいんじゃないかとメンバー同士声を掛け合いながら調整しています」と鳥越さん。

学内での活動が中心ですが、時には外部で活動することも。県内で開催される介護福祉フェアやアジアを中心とした海外での出張修理、さらに震災で被害に遭った東北の被災地支援として、車椅子を届ける活動もしています。「震災の翌年から、毎年東北で修理を行っています。現地の復興の様子を肌で感じたり、当時の状況をお話しいただいたりと、活動以外の部分でも勉強になることがたくさんあります」。

被災地での活動に関して、施設から感謝状をいただいたことも。

 

顧問と各学年の代表が集まるミーティングは毎月開催。活動についての反省やフィードバックからそれぞれが課題を認識し“今、何をやるべきなのか”を考え、活動スケジュールを組んでいます。
2018年度は修理活動を中心に行っていたところ、個々の整備の甘さや技術不足が課題に。それを解決すべく2019年度は技術指導や講習会に重点を置き、メンバー全体の技術力向上を目指しました。


「活動の質を高めていくことで、このサークルの存在感も大きくなってきています。今では各地から自然と車椅子が集まるようになりました」と前田先生。
学生一人ひとりの活動に対する熱意が、サークルの成長へと繋がっています。

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