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科学の視点がスポーツ発展のきっかけに。新潟医療福祉大学によるスポーツ科学の取り組み
2019年9月、東京辰巳国際水泳場にて行われた「第95回 日本学生選手権水泳競技大会」において、新潟医療福祉大学の水泳部が、2年連続でインカレチャンピオン輩出という快挙を達成しました。
新潟医療福祉大学では水泳を始め、サッカー、バスケットボール、陸上競技など様々な種目において、トップアスリートや指導者の育成に取り組んでいます。
そして、そのスポーツ躍進の背景の一つに新潟医療福祉大学が取り組んでいる、スポーツ科学という分野の研究があげられます。
今回はそのスポーツ科学という視点から、卓越したアスリートや優れた指導者がどのようにして競技で成果をあげてきたのか。その所以の解明に取り組む、健康スポーツ学科 佐藤大輔教授にお話を伺ってきました。
スポーツ科学は現場との密接な連携が肝
科学的視点でスポーツを研究する。というのがスポーツ科学で行っていることではありますが、スポーツ科学が1つの科学の分野かと言われると、そうではありません。
スポーツには数え切れないほどの種目があるのと同様に、とても幅広い視点で研究が進められています。
人の動きを探る物理学や、人の心を探る心理学的な視点もあります。人間の「感覚」を扱う神経科学もその一つです。
例えば水泳という競技において、神経科学としての観点で研究をすると、選手が「水の中で水の流れを自身がどのくらい感じることができているのか?」ということも、選手が今後速く泳げるようになるための資質として測ることが可能になってきています。
幼児期などでもそういった感覚の部分は個人差がありますので、今後研究が進めば、子供のうちから「向いているスポーツが何か?」などもわかってくるような時代になるかもしれません。
つまり「スポーツ科学によって競技ごとのタレント発掘が出来るかもしれない。」ということですね。
ただ、この水泳における神経科学の例のような研究成果も現場との連携によって現場で理解されなければ、何の意味もなさないものになります。そのために、コーチングの現場ではスポーツ科学の研究成果をスムーズに取り入れるためのハブとなる人材もとても重要で、トップアスリートの周囲にはそういった環境が整っていることが多いと思います。
新潟医療福祉大学は、研究が現場の非常に近くで行われているので、研究が非常にやりやすい環境であると思っています。