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若手マンガ家に活動のチャンスを!「TOKIFUDE(トキフデ)」がコーディネート。
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インターネットで読まれるwebtoon(縦読みマンガ)などの人気で、マンガやイラストの需要が急拡大しています。それに伴い、新人・若手作家の発掘・育成が今マンガ業界の重要課題です。そのようなニーズに応じて、(株)ガタケットでは「TOKIFUDE(トキフデ)」という新事業を設立。作家とクライアントのコーディネートなどを行っています。
どのような経緯でTOKIFUDEを立ち上げたのか、具体的な事業内容や連載中の作品、今後の展望などを、(株)ガタケット コンテンツ事業部 部長 小川知一さんに伺いました。
転換期を迎えるマンガ業界のニーズを捉え、TOKIFUDEを設立。
― はじめに、コンテンツ事業部の活動内容を聞かせてください。
小川 当社は社名と同じ「ガタケット」という名の同人誌展示即売会の運営も行っているため、そちらのイメージを持たれている方も多いかと思うのですが、事業の幅を広げるため2021年10月に立ち上げたのがコンテンツ事業部です。LINEマンガなどのwebtoonを中心とした連載作品を軸に、企業紹介用のマンガやイメージキャラクターの制作など、「マンガ」を活用した様々なサービスを提供しています。
― 現在、マンガ業界は大きな変化を迎えているそうですね。
小川 はい。これまでは雑誌や単行本の紙媒体が主流でしたが、今ではインターネットでマンガを読むwebtoon(縦読みマンガ)が一般的になりました。それに伴い業界に次々と新規企業が参入し、その結果マンガの需要が急拡大。各社は常に作品を求めており、市場規模もグローバルになってきて、マンガはもう日本だけではなく世界がマーケットだと言えます。
― 今年の6月にスタートした「TOKIFUDE(トキフデ)」の活動内容を教えてください。
小川 「TOKIFUDE(トキフデ)」では、作家の作風や世界観にマッチした仕事を紹介したり、スケジュールを管理したりすることで、作家の制作活動をサポートしています。私はもともと、NSGグループの日本アニメ・マンガ専門学校マンガクリエイト科で教員をしていました。学校卒業後に業界で活動している卒業生の皆さんとつながりを保っていたため、まずは彼ら彼女らにTOKIFUDEのクリエイターの一員として加わってもらい、マンガ制作のサポートに奔走しているところです。立ち上げたのは6月ですが、すでに多くの仕事の依頼が入っています。
作家との信頼関係を築き、優れた作品を新潟から発信したい。
― 若手作家が抱える課題解決にも繋がる活動だとか。
小川 その通りです。若手作家には売り込みやマネジメントなどの自己プロデュースのやり方がまだ分からない方も多く、実力があるのに正当に評価されず仕事に結びつかないこともあります。日本アニメ・マンガ専門学校で教員をしていた頃から、卒業後の話を聞いてそんな状況に課題を感じており、なんとか改善できないかと思っていました。TOKIFUDE設立のベースには、そのような悩みを抱える若手作家にもっと活躍してもらいたいという思いがあったのです。
ホームページを開設して広く募集したところ、すぐに全国から応募があり、その反応の良さに驚きました。それだけ出版社や企業への橋渡し役を望んでいた方が多くいるという事なのでしょうね。
― 制作依頼があった時の仕事の進め方は?
小川 まずは当社がクライアントの要望をしっかりとヒアリングします。そして依頼内容によって、どの作家がふさわしいかを社内で話し合います。その後、候補者を数人に絞り込んでクライアントに提案するのですが、作家の個性や技量をしっかりと把握した上で選出しているおかげか、まずNGを出されることはないですね。
作家と密に連絡を取り合い、一人ひとりの魅力を把握できている、それがTOKIFUDEの強みだと思っています。これからさらに多くの作家が仲間入りしてくる見込みなので、信頼関係の構築を最優先にしていきたいと考えています。
― 制作費の面でも作家にとっては、今までにないメリットがあるそうですね。
小川 はい。マンガを作る前に「ネーム」という設計図のようなものを作るのですが、今まではネーム単体では料金を支払われないのが業界では一般的でした。しかしTOKIFUDEでは、ネームも貴重なアイデアで、作家のクリエイティブな仕事として扱い、ネームを制作いただいた時点で料金を支払っています。作家のモチベーションを高めたかったため、そうすることにしました。「私もここで描きたい」と、意欲的な作家が集まることを期待しています。そして新潟から優れた作品を発信していきたいですね。
分業制作で質の高いマンガを制作し、多彩なジャンルで実績を残す。
― 将来プロのマンガ家を目指す方のサポートもしていると聞きましたが?
小川 自分の作品が売れるまでは先輩マンガ家のアシスタントをするケースが多いのですが、そういった仕事の紹介も行っています。アシスタントは良い経験になりますし、収入も確保できます。チャンスが来るまでの経済面のサポートも私たちの大切な役目です。また、特にwebtoon制作では、キャラクター作画、背景作画、着色など、作業ごとに細かく担当を分ける「分業体制」をとって制作を進めています。だから自分の得意分野のみをいかす事も可能です。社内には作家活動の経験のあるスタッフも在籍しているので、作品の添削や技術面についても手厚くサポートしています。
― マンガ家以外のクリエイターも在籍しているのでしょうか?
小川 はい。シナリオライターです。先ほど分業制作の話をしましたが、作画とシナリオを分けて進めることもあります。また小説を漫画化する場合もありますので、その分野に長けたシナリオライターの存在は不可欠です。TOKIFUDEにはアニメの有名作品のシナリオを手がけたことのある優秀な方も在籍しているので、とても頼もしいですね。
― 最近のマンガの連載実績を紹介してください。
小川 LINEマンガで連載中の「この子は弟です。」は、2023年11月現在2,862万ビューと人気作品となっています。作画担当のまるやままなさんは日本アニメ・マンガ専門学校の卒業生です。また北村匠海さん、DISH//の楽曲をマンガ化した「五明後日」は、音楽とは違う視点で描かれ作品となっており注目していただきました。作画は久谷 碧さんで、彼女も日本アニメ・マンガ専門学校の卒業生。webtoonの他にも、新潟市からの依頼で、ふるさとの偉人の功績をマンガ化して出版した「田沢実入と大河津分水」の作画を担当しました。このように幅広いジャンルで実績を残しています。
人気オリジナル作品を制作し、知名度やブランド力を上げたい。
― 事業活動へのこだわりや、大切にしている点はどこですか?
小川 とにかく作家のストレスとなるうるものを排除し、制作に集中できる環境を作ることです。そのためには安定した仕事の発注や、仕事を円滑に進めるクオリティ・スケジュールの管理、そして適切な制作料金の支払いが重要になります。その積み重ねで、TOKIFUDEと作家の信頼関係を守りたいと思います。またそのような関係ができれば、クライアントからも「TOKIFUDEに任せれば安心だ」と信頼されるはずですからね。
― TOKIFUDEが目指すものはなんでしょうか?
小川 多彩な才能を持った作家が揃い、クオリティが高い作品を発信する。それによってTOKIFUDEブランドが評価されることを目指しています。そしていつかは、「©️TOKIFUDE」とつくようなオリジナル作品を作りたいですね。
― やっぱりオリジナル作品の制作が目標になるのですね。
小川 そうです。オリジナルの人気作品を制作し、自社のIP(著作権・特許・商標等)を持ちたいですね。いろんなプラットフォーマーを運営する方と話しても、皆さん同じことをおっしゃいます。自社IPに熱心なファンが多く付けば、経営が長期的スパンで安定するのはもちろんのこと、TOKIFUDEの知名度やブランド力が向上します。まだ夢ですが、その実現に向けて確実に歩み出せました。
株式会社ガタケット
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https://gataket.com
同人誌展示即売会ガタケットの運営、コスプレガタケットの運営、「新潟市マンガ・アニメ情報館」「新潟市マンガの家」の指定管理受託業務(共同事業体として受託)、「にいがたマンガ大賞」「がたふぇす」実行委員会員としての事業協力、マンガ・イラスト制作ブランド「TOKIFUDE」によるコンテンツ制作
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