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野球に育てられた私は、野球で恩返しを。母校、開志学園で後輩たちに伝えていく。

2020.09.29 Tue

今年(2020年)4月に新卒で開志学園高校の教員になった、柏倉悠起奈さん。柏倉さんは開志学園の卒業生で女子硬式野球部1期生です。高校卒業後は大学に進学して教員免許を取得、開志学園に教員として、また女子硬式野球部のコーチとして戻ってきました。そんな開志学園女子硬式野球部の基盤を一期生としてつくり、立場を変え今も支える柏倉さんにお話を聞きました。(※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。)

 


開志学園時代の柏倉さん

兄の影響で小学校2年生の時に野球をはじめ、小学校、中学校と男子に混ざって野球少年団に所属していました。高校でも大好きな野球を続けたいけれど、地元の山梨県には女子が選手として野球部に入部できる高校がないので、高校では男子野球部のマネージャーをやろうと考えていました。しかし、大会を通して、関東の高校に女子だけのチームがあることを知りました。その時に、「よし、その関東の高校に行こう!」と思いました。その後、他にも女子野球部はあるのか?と、インターネットで「高校 女子野球部」を検索すると、「女子硬式野球部 1期生募集」という文字が目に飛び込んできました。「1期生。自分たちでつくる野球部…面白そう!」と思い、その時にはまだ縁もゆかりもない土地でしたが、新潟県の開志学園高校に進学することを決めました。

 

自分たちで1からつくる「女子硬式野球部」

大好きな野球を続けたい、そして自分たちで野球部を作り上げていこうと考えて集まった仲間は県外から12 名、新潟県内からは5 名、総勢17名でした。先輩がいない中でスタートしたので、練習前のウォーミングアップのメニューは各々が意見を出し合って、自分たちでメニューを作成しました。集まった部員の中には、女子のチームで野球をしてきた人、私のように男子の中に混ざりなら野球を続けてきた人、ソフトボールをずっとやってきた人。さまざまな経歴の人たちが集まっていました。そのため、日々話し合いをしていく中で、意見が合わず、議論になることも多々ありました。しかし、そういった部員同士のコミュニケーションを重ね、自分たちで少しずつ「開志学園の女子硬式野球部」のかたちをつくっていきました。


開志学園時代の柏倉さん

高校最初の試合の事は今でもよく覚えています。大差で初戦敗退して、全員1年生と自分たちと3年生の相手チームとでは力の差が大きいことを実感しました。すごく悔しかったのですが、この大会後のミーティングにみんなで決めたことがありました。2年後を見据えて、自分たちが3年生になったときに絶対結果を残そう! 1年生の時から全員が試合に出て、試合経験を積むことができるのは1期生である私達にしかできないことで、その経験を後輩にも伝えて、強いチームを作っていくのが私達の使命だと思いました。

翌年、15人の新1年生が入ってきました。その年の夏の大会当日は雨で、大会全体の進行が遅れていました。開志学園は最終試合だったので、グラウンドは真っ暗でナイターの試合となりした。0-0が続き、緊迫したムードのまま試合は進みました。延長の末、結果としては負けてしまいましたが、昨年と違い、粘り抜いた試合は開志学園にとって、他校と戦える力がついてきたと自信に繋がりました。そして、最後の年。1期生にとっては集大成となる3年生になり、新1年生が13人入部し、大所帯になりました。夏の大会は初戦敗退となりましたが、関東ヴィーナスリーグで2部優勝、1部昇格と成績を残すことができました。3年目の最後の年に自分たちでつくってきた野球ができたなと実感でき、振り返ると、開志学園に来てよかったと思える3年間を過ごすことが出来ました。

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