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野球ひじを防げ!野球障害から球児を守る取り組みを継続~新潟リハビリテーション病院・山本智章院長
2019.12.28 Sat
新潟リハビリテーション病院で院長を務める山本智章先生は、業務のかたわら、一般社団法人野球障害ケア新潟ネットワークの代表を務め、長年、野球障害についての啓発活動を展開しています。12月21日・22日には、新潟県で7回目となる野球フェスタを開催し、検診や研修会を行いました。その積極的な取り組みについて、山本院長にお話を聞きました。
肩ひじを壊す野球少年を1人でも減らす!
山本院長は、自身も野球少年として育ち、青春時代は高校野球に情熱を傾け、現在も草野球チームに参加している野球大好き人間です。
「15年前、スポーツ外来に深刻な野球ひじの症状を抱えた中学生が来院したのです。彼に限らず、ひじや肩を痛める子どもが多いのを目の当たりにして、何とかしなければと思いました」。
それまでも医学界では野球ひじをはじめとする野球障害に対しての提言が行われていましたが、スポーツ界との連携が乏しかったせいか、なかなか浸透しませんでした。
山本院長は「野球ひじは指導者や保護者が気をつけていれば、予防や完治できる場合がほとんどです。だから、一人でも多くの人に知ってもらい、予防に繋げることが大切」と、長年、啓発活動に取り組んできました。
野球ひじは、投球動作を繰り返すことで発症するものです。特に、まだ骨が柔らかい成長期の子どもの場合は骨や軟骨が剥がれたり傷ついたりしやすく、悪くすると手術が必要になり、野球ができなくなることもあります。
「たとえ発症しても、早期のうちにしばらく休めば治るのですが、病院に来るころには自然治癒が期待できないほどになっているケースが多いのです。予防に勝る治療はありません」と、2006年から仲間の医師や理学療法士を集め、ボランティアで定期的に肘の検診をスタートしました。
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