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新潟医療福祉大学 女子硬式野球部創部。地域の女子野球の発展と全国制覇にチャレンジ!
新潟医療福祉大学では、2024年4月に「女子硬式野球部」(強化指定クラブ)を創部しました。女子野球の競技人口は年々上昇傾向にあり、高校の女子野球チームはこの5年間で21校が新設されています。また、年々企業チームやクラブチームの数が増加し、プロ女子野球チームも創設されるなど、女子野球が注目される機会が増えてきています。
女子野球の機運が高まる中で創部したチームの様子や監督の指導方針、今後の課題や夢などについて、新潟医療福祉大学 女子硬式野球部 後藤桂太監督にお話を伺いました。
学生が主体となったチームづくりを試行錯誤中。
― 創部までの1年間は高校女子野球の監督をされたそうですが、どのような経験を積めましたか。
後藤 昨年、開志学園高等学校の女子硬式野球部の監督を務めました。それまで男子選手しか指導した経験がなかったので、女子選手への指導、関わり方など勉強できたと思います。女子野球の魅力は楽しそうに野球をすることだと思っています。監督としてその魅力を選手から引き出せるように、ミスをした時にもあまり落ち込まないよう、メンタルのサポートをできればと意識してきました。それは現在の新潟医療福祉大学女子硬式野球部でも同じで、練習や試合の時はポジティブな声がけを継続して行っています。会場で一番うるさいかもしれませんね(笑)
― 4月に創部して順調にスタートは切れましたか。
後藤 1からチームを立ち上げていく訳ですから、練習一つとってもどのように進めるか、また野球以外の部分でも総務や広報、道具管理はどうするのか…。先輩たちがいない中で進めなくてはいけません。すべてにおいて、毎日が試行錯誤の連続です。高校時代は野球以外の部分は監督や顧問が担ってきましたが、大学生は自分たちで部活動を運営していきます。そのスタイルに慣れるまでは時間がかかるので、今は一歩一歩前に進んでいる感じです。
― 指導方針としては「学生主体」ということなのですね。
後藤 そうですね。学生が自ら考えて、判断し、行動する。それが基本です。もちろん監督やコーチは多方面からサポートします。そのためにも学生たちとのコミュニケーションを密に取ることは大切なので、「練習方法などで迷ったときは、気軽に相談してくれよ」と言っています。メールやSNSでの連絡・報告・相談は確かに便利ですが、特に創部したばかりの今は、“face to face”のコミュニケーションが不可欠です。
男子硬式野球部の協力で技術・体力アップの練習に取り組む。
― 具体的にはどのような練習方法を採用していますか。
後藤 部員が少ないという状況もありますが、現在は男子硬式野球部の部員と一緒に練習しています。男子硬式野球部の佐藤和也総監督が、いずれ女子野球部が創部したら“男女合同で練習したい”と以前から構想を練っており、それを実践しているところです。このような練習スタイルをしている大学は他にありませんが、これからは男女共同参画の時代なので、お互い理解し合いながら技術の向上を図っていけたらと思います。
― この練習方法ですが、女子にとってのメリットはなんでしょうか。
後藤 瞬発力や力に関しては男子が得意な部分もあるので、身体の使い方を見ているだけで勉強になりますし、女子ができていない部分は男子硬式野球部の学生コーチが指導してくれることもあります。また男子は学生主体の練習方法が浸透しているので、3時間の全体練習が終わった後は、各自の課題をクリアするために自主練習に取り込んでいます。それらを見て、練習方法を学んでもらいたいですね。
― 女子硬式野球部には色々な学部の学生がいるそうですね。
後藤 本学は保健・医療・福祉・スポーツを学ぶ6学部15学科を有する医療系総合大学なので、部員の中には鍼灸健康学科や看護学科など、国家資格の取得を目指すための実習や対策授業がある学生がおり、練習開始時間に間に合わないケースがあります。しかし、野球だけではなく、将来の学びたいことを諦めずに野球ができることも本学の魅力だと思っています。文武両道をモットーとしているので、練習時間が足りなければ授業の合間や練習後に自主練習するなど、“自ら考えて、判断し、行動する”という、まさに学生主体の練習方法が活かされるはずです。
4年以内に優勝旗を新潟に持ち帰ることを目標に試合を重ねる。
― 4月に初の公式戦(第7回女子硬式野球新潟大会)に参加された感想をお聞かせください。
後藤 創部して1か月の試合だったので、結果は求めていませんでした。まずは試合を重ねて経験を積む時期です。冷静に大人なプレーを心がけ、ピンチになってもみんなで力を合わせて乗り越えられるようなチームに成長してほしいですね。そうすれば、きっと良い結果がついてくる。そんな可能性をこのチームには感じています。だから選手たちには、「大学でも野球を続けたいと思って入学したからには、プライドを持って練習や試合に取り組んでほしい」と伝えました。
― 全日本大学女子硬式野球大会は、初の全国大会ですがいかがでしたか。
後藤 全国の強豪を相手に、どこまで自分たちの野球が通用するかを試す大会。だから「積極果敢にチャレンジしよう!」と鼓舞しました。彼女たちは参加するだけでなく勝つ気満々で挑みましたが、結果は大阪体育大学を相手に0-8でコールド負けでした。残念ながら敗北となりましたが、たくさんの収穫がありました。翌日以降、他大学の試合を観戦して、「女子の大学野球はどういうものか」を、しっかり目に焼き付けてきました。創部メンバーが卒業するまでに、優勝旗を新潟に持ち帰ることがチーム全員の目標です。
― 今後、チームが成長していくためのモットーがありましたらお教えください。
後藤 「笑顔で努力と協力をしよう!」。これがチームのモットーです。どんな時でも笑顔でないとチームの雰囲気は良くならない。そしてみんなで団結して努力を積み上げていく。そんなポジティブな気持ちでチャレンジすることが大切です。創部したばかりで思うような結果は出ないのは仕方がありませんが、とにかく笑顔を絶やさないで、みんなで協力しながら努力して乗り越えたいですね。
女子野球の発展のために、子どもたちへの認知拡大に貢献したい。
― 女子野球は競技人口が増えていますが、今後の課題をどのように考えていますか。
後藤 現在、全国の女子硬式野球チームを持つ大学は15校と、高校と比較をするとまだまだ競技人口が少ない状況です。しかし、高校卒業後の受け皿として新潟医療福祉大学女子硬式野球部がその1つになれたらと考えています。女子野球の発展を地域から盛り上げていくために重要なのが、子どもたちへの認知拡大。創部したてで選手も14名ですが、大会で活躍することの他にも私たちにできることがあると思っています。
― 地域の女子野球を盛り上げていくために、どのようなプランを考えていますか。
後藤 昨年、私が監督を務めた同じNSGグループの開志学園高等学校と連携を進めながら、女子野球の普及活動ができればと考えています。また、男子硬式野球部が地域の子どもたちへ野球教室を実践しているので、女子硬式野球部も同じように野球の楽しさを伝えていけたらと計画しています。学校のクラブ活動が縮小していく中で、女子野球を広めていくのは難しいことではありますが、その分やりがいがあります。野球に興味を持った女の子たちが私たちの主催する野球教室をきっかけに野球を始めて、その後プレーを続けられるような環境をつくっていけたらと思います。
新潟医療福祉大学
全国でも数少ない、看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉・医療ITを学ぶ6学部15学科の医療系総合大学です。この医療系総合大学というメリットを最大限に活かし、本学では、医療の現場で必要とされている「チーム医療」を実践的に学ぶことができます。また、全学を挙げた組織的な資格取得支援体制と就職支援体制を構築し、全国トップクラスの国家試験合格率や高い就職実績を実現しています。さらに、スポーツ系学科を有する本学ならではの環境を活かし、「スポーツ」×「医療」「リハビリ」「栄養」など、スポーツと融合した学びを展開しています。
https://www.nuhw.ac.jp/
>強化指定クラブ部の詳細はこちら
https://www.nuhw.ac.jp/sport/
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https://www.nuhw.ac.jp/sport/baseball/
後藤桂太
1966年生まれ、新潟県五泉市出身。新津高では捕手で84年のセンバツに出場。日体大を卒業後、89年から93年に新発田農業高校のコーチで高校野球の指導に携わり始める。94年に津川高校、06年から14年まで五泉高校、14年から22年は新潟高校の監督。五泉高校では12年秋、新潟高校では21年春に北信越大会出場。22年から見附高校の監督を務め23年3月に退職。4月から開志学園高等学校女子硬式野球部監督に就任。新潟医療福祉大健康スポーツ学科教員を兼務。2024年4月、同大学の女子硬式野球部監督に就任。