学習塾と高校が新潟の医師不足の解決に取り組む。 「NSGグループ地域医療支援プロジェクト」始動。

2024.09.17 Tue

新潟、福島、山形、群馬の4県で学習塾を運営する株式会社NSGアカデミーと、「医学科進学コース」を展開している開志国際高等学校は、医師を目指す中学生を高校卒業までサポートし、大学の医学部医学科への進学を実現する「NSGグループ地域医療支援プロジェクト」を2024年9月に開始します。

プロジェクトを立ち上げた背景、生徒への具体的なサポート体制、今後の課題や期待等について、株式会社NSGアカデミー 代表取締役社長の小川 善弘さんと、開志国際高等学校 副校長の安澤 俊之さんにお話を伺いました。


安澤 俊之さん(左)、小川 善弘さん(右)

新潟県内の医師不足を解消するためにプロジェクトを企画。

— 「地域医療支援プロジェクト」を企画したねらいは?

小川 NSGアカデミーは学習塾を運営していますので、短期的な目的は子どもたちを志望校合格に導くことですが、教育の本来の目的は、より良い社会を作ることができる人財の育成です。新潟県の課題の一つとして医師不足があります。人口10万人当たりの医師数は2022年時点で新潟県は全国44位となっています。そして、医師になりたいという夢を持ちながらも、近くに学習塾などの学習環境や、医師になるために必要な情報を得られる場を持たない生徒が少なくないという現状がありました。弊社としても、これらの課題を解決するために何かできることはないか常々考えていました。

— 医師を目指す生徒の学習を支援し、医師不足を解消するプロジェクトなのですね。

小川 その通りです。公の機関もさまざまな医師不足解消の対策をしています。特徴的なのが医学部医学科を卒業後、新潟県内の指定された医療機関で一定期間勤務することによって、貸与される修学資金が全額返還免除されるというものです。そのため、「地域医療に貢献したい」という志があり、医学部医学科合格という難関を突破する高い学力があれば医師になることができる環境が整ってきています。そこで弊社も、医師になりたいという夢を持つ生徒をサポートするプロジェクトを開志国際高等学校と共に立ち上げました。


— 開志国際高等学校とはどのようなコラボレーションが?

小川 同じNSGグループの開志国際高等学校には、「医学科進学コース」という医師を目指すコースがあります。さらに、弊社が運営する東進衛星予備校が学校内に併設されており、生徒が医師を目指す環境が十分に整っています。実際に中学生の段階で地域最難関の高校に合格することが難しかった生徒が、開志国際高等学校での学びを通して医学部医学科に現役合格している事例もあります。弊社と開志国際高等学校の、医師を目指す生徒の医学部医学科合格をもっと後押ししたいという思いが重なり、連携することでより合格への道筋を確かなものにするため、コラボレーションすることといたしました。

現役の医学部医学科生が独自のシステムを活用してオンラインで個別指導。

— 中学生にはどのような学習指導をする計画ですか。

小川 近くに弊社が運営する学習塾がない、また塾の開校する曜日や時間に通えない方もいるかもしれません。そこで自宅オンライン個別指導システム「MULT-i(マルチアイ)」という他の塾にはない独自のシステムを活用する予定です。これは生徒と講師の表情、そして双方の手元を映し出すことを可能にしたシステムで、生徒のつまずきの瞬間、成長のきっかけを見逃さない指導が可能となります。そして現役の医学部医学科生が、その指導にあたる予定です。新潟県内で医学部医学科を有する大学は新潟大学だけなので、その学生が遠方まで指導に赴くのは難しいですが、オンラインであれば離れた場所でも指導を受けられます。


— なぜ現役の医学部医学科生にこだわったのでしょうか。

小川 医学部医学科の合格は難関なので、志半ばであきらめてしまう生徒も少なくありません。ですが、現役の医学部医学科生に教わることで目標が身近になり、また、大学での学習の様子などを普段の授業中の対話を通して知る機会が持てることで、モチベーションの維持・向上につながるはずです。


— どのような中学生がこのプロジェクトの対象となっていますか。

小川 NSGアカデミーでは特別な試験は設けずに、面接とエントリーシートを提出していただき、総合的に判断しています。何よりも医師になりたいという強い意志があり、当プロジェクトの考え方に共感・信頼していただける方を対象としています。また、中学2・3年生の間は自宅オンライン個別指導を無料で提供し、学力を伸ばすことによって、開志国際高等学校への進学までの学びをサポートします。さらに、自宅オンライン個別指導を受けるにあたり、パソコンなどの端末やカメラが必要なご家庭には無料で貸与する予定です。

少人数制、予備校との連携強化などで、難関の医学部医学科の合格を目指す。

— 開志国際高等学校はどのようなサポート体制を整えていますか。

安澤 2025年度入試から医学科進学コースのリニューアルを行い、よりきめ細かな教育を行います。また予備校出身講師による医学科受験突破に向けた指導を徹底すると共に、NSG東進衛星予備校との連携を強化します。さらに、これまで実施してきた医師を目指すモチベーションを高めるためのイベントをより充実させます。例えば、医学部医学科に入学した卒業生との座談会や、実際の医療現場への見学などです。そして、このプロジェクトを通して入学する生徒の入学金、授業料を全額免除し、医学部医学科合格をサポートいたします。

— 他社や他の高等学校で同じような事例はありますか?

安澤 学習塾と高等学校が連携する例は私が知る限りありません。これは同じNSGグループだからこそできたことです。また私は以前、NSGアカデミーで勤務していました。小川社長とは同僚でしたので、プロジェクトを進める上で連携がスムーズでしたね。

生徒一人ひとりの成長ストーリーを描いて医学部医学科合格をサポート。

— 今後の展望についてお聞かせください。

安澤 まずは本校に入学した生徒が医学部医学科に合格できるよう、全力でサポートします。その結果として、「開志国際高等学校でなら夢を叶えるための学びが得られる」と、これから進路を考える学生たちにも思ってもらえたら嬉しいですね。そして卒業生に「医学部医学科に合格した先輩」として、本校のイベントに参加してもらったりすることで、医師を目指し、医師になる夢を叶える生徒が増えるという循環ができることを願っています。

小川 医師になるためには医学部医学科への合格という関門を突破しなければいけません。大学入学共通テストにおいて比重の高い数学、理科、英語の実力向上がやはり重要です。これらの科目の理解度をどう高めていくかは個々人によって異なります。そのため、生徒一人ひとりの成長ストーリーをしっかりと描き、それに沿って的確にサポートしていきたいですね。

 

NSGアカデミー

新潟県、福島県、山形県、群馬県に学習塾・予備校を78校運営。「人は限りない可能性を秘めている」を教育理念とし、NSG教育研究会(小中高生対象のクラス指導を中心とした進学塾)、NSG PLATS(小中高生対象の個別指導塾)、NSGアカデミー東進衛星予備校、NSG CLAP(幼児教育・小学受験塾)の4ブランドを展開しています。

〒950-0087 新潟県新潟市中央区東大通1-11-32
TEL:025-243-1166 / FAX:025-243-2701
https://www.nsgac.co.jp

 

開志国際高等学校

2014年に全日制普通高校として開校。これまでの日本の普通高校にはない、全く新しい「医学科進学コース」「国際情報コース」「国際アスリートコース」「アスリートコース」の4つの特化したコースを設定し、特色ある教育活動を展開しています。

〒959-2637 新潟県胎内市長橋上439-1
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