病院連携フィットネスで地域の健康を支える!厚生労働省認定の「ロコパーク」

2025.04.25 Fri

設立から12年目を迎えた「メディカルフィットネス ロコパーク」は、 新潟リハビリテーション病院と連携したサポート体制で、利用者一人ひとりに最適な健康づくりをサポートしています。また、今年の2月には、医学的根拠に基づく運動プログラムを提供している「指定運動療法施設」として厚生労働省に認定されました。

ロコパークの設立の経緯や他のフィットネス施設との違い、「指定運動療法施設」認定されることで利用者にどのようなメリットがあるかなどについて、医療法人愛広会 健康運動指導士・理学療法士 佐野佐枝子さん、総務課 中谷篤志さんに話を伺いました。

ロコパーク管理者

 

地域の方の健康維持・増進のための施設として開設

ー まず、施設の概要を教えていただけますでしょうか。

佐野 ロコパークは、新潟リハビリテーション病院に併設されたフィットネス施設です。健康運動指導士やアスレティックトレーナー、理学療法士のサポートを受けながら、医学的な根拠に基づいた運動ができる“メディカルフィットネス”という理念のもと、新潟市北区を中心に多くの方に利用いただいています。

ー 実際にどのような方が利用されていますか?

佐野 当施設には、膝や腰の痛みを抱える方、生活習慣病の予防を目的とする方、またスポーツをしている方など、幅広い層の方が通われています。特に、医療と連携したサポートを受けながら運動できる点が、多くの方に支持されています。

ー 指導において、特に大切にしていることは何ですか?

佐野 「健康寿命の延伸」のために「ひとりひとりのお話を聞くこと」を大切にしています。そのうえでご要望に合わせた運動プログラムを提案できるように定期的なチェックを大事にしています。

インタビューに答える佐野佐枝子さん

 

「医療」「運動」「栄養」の3つの視点で利用者の健康をサポート。

ー 他のフィットネス施設との違いを教えてください。

佐野 利用者一人ひとりに合わせたオーダーメイドのプログラムを提供しています。まずは、利用目的、疾患の有無、生活習慣などをお聞きし、 体力測定を行います。その結果を踏まえて目的に対する問題点を抽出し目標を設定します。その結果をもとに個別のプログラムを作成します。さらに、3か月ごとに効果検証を行い、達成度に応じて新たな目標設定やプログラムの見直しを行います。このように、医学的根拠に基づいた、無理なく継続できる適切な運動を提案しています。

ー どのような専門のスタッフがいるのでしょうか。

佐野 理学療法士や健康運動指導士に加えて、管理栄養士も在籍しています。利用者に食事の献立や写真を見せていただき、栄養バランスや摂取カロリーを分析。食事と運動の両面から包括的にサポートしています。

ー 新潟リハビリテーション病院との連携も大きな特徴ですね。

佐野 その通りです。医師が「この方には運動が必要」と判断した場合、ロコパークに来られた方には、ご本人の了承を得たうえで医療情報を共有します。 外来・入院でリハビリをしていた方は、担当の理学療法士・作業療法士と検査項目などの情報共有をしているので、その後も安心で、より効果的なトレーニングが可能です。このように、「医療」「運動」「栄養」の3つを融合させ、一人ひとりに最適な健康づくりをサポートしています。

ー 利用者の健康面での改善はいかがですか。

佐野 3か月ごとの効果検証では、多くの方が血圧やコレステロール値が改善し、糖尿病リスクの低下が確認されています。さらに、利用者の大半が継続的に通い続けており、健康意識を高めています。

ロコパークのフィットネス機器

 

厚生労働省認定の施設として、より安全で、より経済的に。

ー 厚生労働省の定める「運動型健康増進施設」認定を取得されたそうですね。

佐野 健康増進のための運動を安全かつ適切に実施できる施設として、2024年11月に認定を受けました。メディカルフィットネスという理念を掲げる当施設にとって、公的な認定を得ることが一つの目標でした。認定取得に向けた取り組みを進め、病院と連携 を強化し、この度認定を取得することができました。

ー 具体的には、どのようなことが必要となるのでしょうか。

中谷 認定基準には、有酸素運動や筋力強化運動を安全に行える設備、体力測定や応急処置の設備、健康運動指導士などの資格を持つスタッフの配置、そして医療機関との適切な連携が求められています。これらの基準を満たすことで、利用者はより安全に運動でき、医療のサポートを受けながら健康管理を続けられます。

ー 今年の2月には同じく厚生労働省が定める「指定運動療法施設」に認定されましたね。

中谷 はい。運動療法を行うに適した施設に認定されたことで、医師の指示のもとで行われる運動療法の費用については、医療費控除の対象として認められるようになりました。物価高が問題となる中、健康づくりをしながらお得に利用できる点も新たな魅力です。また、厚生労働省の認定を受けたことで、医学的根拠に基づく運動プログラムを提供している施設であることを、さらに広く認知してもらえるようになりました。今後は、医師の作成する「運動療法処方箋」に基づいて、より適切な運動指導が行える体制の整備を進めていく予定です。

指定運動療法施設認定証

 

地域のコミュニティの場として、親しまれる施設に。

ー 利用者同士の交流も盛んなようですね。

佐野 利用者同士の交流を促進するため、さまざまな取り組みが行われています。その一例がボッチャです。ボッチャはパラリンピックでも注目されたスポーツで、誰でも参加しやすいため、参加者同士でチームを組み、自然と交流が生まれます。月に1回練習会を開催しており、利用者が自主的に大会に参加することもあります。

ー その他には、どのような交流が図られていますか。

佐野 フラダンスのクラスでは、先生が主催する発表会に参加するなど、地域とのつながりを深める機会もあります。ロコパークは、フィットネス施設だけでなく、地域のコミュニティの場としても機能しているのが特徴です。さらに、会員が自主的に餅つき大会や花見会などのイベントを企画・開催するなど、運動だけでなく、楽しみながら健康を維持できる環境が整っています。

ー コミュニティの場となることで、健康づくりにも良い影響がありそうですね。

佐野 このような取り組みが、運動を習慣化する助けとなり、利用者の継続率を高めています。また、利用者の中には、ロコパークを通じて長年続けられる趣味を見つける方も多く、定期的にスポーツ大会や発表会に参加することで、新たな目標を持ちながら活動を継続していただけています。

ロコパークの体育館

楽しみながら健康になれる場所を目指して、施設の充実を。

ー 今後の施設運営について聞かせてください。

佐野 今後はさらに新潟リハビリテーション病院との連携を強化し、情報交換の仕組みを構築していくことを目標としています。加えて、地域のクリニックや行政機関との連携を深め、住民の健康増進に貢献したいと考えています。

―周辺企業からも健康経営の要望があると伺いました。

佐野 企業からの健康経営の要望に応え、福利厚生で従業員の健康をサポートできる健康支援プログラムを展開しています。近隣の企業であれば、気軽に運動できる環境が整うので、健康維持やストレス解消のお手伝いを行うことができます。こうした取り組みにより、40〜50代の働く世代へのアプローチを強化する計画を進めています。

ー これからロコパークが目指すものとは何でしょうか。

佐野 より多くの年代層の方々がロコパークを活用し、運動を生活の一部として取り入れられる環境を作り上げていく方針です。現在530名の会員がいらっしゃいますが、中には10年以上継続して施設を利用されている方もおり、運動を習慣化することの価値が高まっていると感じています。これは病気を未然に防ぐ上で効果的な方法です。ロコパークは、これからも単なるフィットネス施設ではなく、「楽しみながら健康をつくる場所」として、新潟リハビリテーション病院と密接に連携し、地域の人々の健康寿命延伸に貢献し続けます。

 

メディカルフィットネス ロコパーク

ロコパークでは、健康運動指導士、トレーナー、理学療法士などの専門家を配置し、健康、動き、身体の面から運動をサポートします。健康運動指導士、トレーナー、理学療法士が、医療の分野(メディカル)と運動の分野(フィットネス)を連携させた医科学的な運動をご提案いたします。健康の維持・増進のためのトレーニングや、メタボ・ロコモの予防・改善の運動のほか、アスリートの競技力向上および早期の競技復帰に向けたトレーニングなども行います。

〒950-3304 新潟市北区木崎761番地
TEL 025-368-7500 / FAX 025-368-7501
https://aiko.or.jp/locopark

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