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ボランティアから広がる地域の笑顔 「楽しい!」をつなぐ新潟医療福祉大学「レクア.コム」
2001年に開学した新潟医療福祉大学。保健・医療・福祉・スポーツの6学部13学科の総合大学で、現在約4,300名の学生が各分野でプロフェッショナルを目指し、日々学んでいます。そして、同大学には開学と同じく2001年に誕生した「レクア.コム(レクアドットコム)」という地域貢献団体があります。所属人数約250名という学内でも大規模な団体で、ボランティア活動を通して、一人ひとりの自己実現を目指しています。また、活動の中では子どもから高齢者まで多くの方と関わりを持ち、地域との交流も深めています。
「どうしたら楽しんでもらえるか」
自分たちだからできるボランティアのカタチ
団体名である「レクア.コム」は、レクリエーション&コミュニケーションの略。障がいの有無や年齢差に関係なく一緒に楽しんで交流することを大切にし、大学のある北区を中心に学校支援や美化活動、障がい者・高齢者支援、多世代交流などを行っています。16期部長の鈴木さん、副部長の青木さんと石井さんは現在3年生。入部時は「新しいことにチャレンジしたい」「子どもと関わりたい」「医療福祉の仕事に活かしたい」とそれぞれ気軽に参加したものの、3人とも共通して初参加の日がとても楽しく、充実していたのだそう。
「最初は子どもたちが予想外の行動をとるので、関わるのが不安だと思ってしまって。でも、先輩たちが子どもと接する姿や活動に真剣に取り組む姿を見て感動し、自分も続けていきたいと思いました」と鈴木さん。現在は、活動内容を企画する立場にもあり‟参加者も楽しめて、自分たちも楽しめる”ということをモットーに企画立てに取り組んでいます。「以前、企画に悩んでいた時、ボランティアで関わる公民館の方にマイナス面に目を向けないで、楽しいと思う方に向けばきっとうまくいくよと言ってもらえて。そこから気持ちが軽くなり、自分ができる楽しいことを実現しようと考えるようになりました」と話していました。「先日中学校にゲストティーチャーとして訪れた際に、皆が楽しめるようにと大学生と中学生混合の即席グループを作ってもらうレクリエーションを考え、参加者から喜んでもらえたことは本当に嬉しかったです」。
「また会いたい」が嬉しい!
ボランティアから生まれる地域の絆
小学生との交流を目的とした「一休さん」や「サタデーキッズ」など、定期的に行っている活動も多数ある同団体。活動を重ねるうちに名前を覚えてくれて、自分から声をかけてくれる子どもたちもたくさんいるそうです。副部長の青木さんに、ボランティアを通して嬉しかったエピソードを聞きました。「自閉症の女の子とショートテニスをしたのですが、一年前は元気がなく、参加に消極的だったのです。ですが先日は、休憩も忘れるほど楽しんでくれていて、最後に『また次も来る?』と聞いてくれました。本当に嬉しかったですね」。このように活動を通して、子どもたちの成長や変化が見えてくることもあります。
副部長の石井さんは、草取りのボランティアをしていた際に別団体から「新潟医療福祉大学の方ですか?活動に誇りを持ってくださいね」と声をかけられたそう。「自分たちの活動が少しでも地域の方に知ってもらえているのは、誇りに思います」と石井さん。また、4年生卒業時に開催するパーティーには、関わった地域の方々も参加してくれます。学生同士だけではなく、地域の方と生まれる絆もレクア.コムの活動の中でとても大きな存在です。
“楽しい”と思うことが続けたいと思うきっかけに
「後輩にもこの気持ちをつないでいきたいです」
この4月から部長、副部長として部を取りまとめている3人。活動を続ける中で、後輩たちにつないでいきたい思いがありました。「地域の人が楽しんでくれると同時に、レクア.コムの部員一人ひとりにボランティアは楽しいと思ってもらいたいです。先輩たちが楽しんでいる姿を見て自分たちもそうなっていったように、後輩たちも自然とついてきてくれることが理想ですね」と話していました。‟楽しい”と言っても、活動の中では課題も多いそう。例えば、子どもたちの中にはチームの輪に入ろうとしない子がいることも。そういった子どもにどうやって次回は参加してもらうか、と反省会をし、解決方法を見出すこともとても大事だと言います。
「コンテストで優勝をするなどの達成感とは違いますが、ボランティアを通して感じる、目に見えない感動は後輩たちにも知ってほしいです」と青木さん。
3人の今後の目標は17年間続いてきたこのレクア.コムから広がる学生同士の輪を、さらに大きく、充実したものにしていくことです。そして地域の方と「楽しい」を共有できる、地域貢献団体としてこれからも成長し続けます。
新潟医療福祉大学 レクア.コム部
2001年の開学と同時に設立された地域貢献団体。児童を筆頭に障がい児、障がい者、高齢者などを対象にレクリエーション活動やボランティア活動の参加、運営・企画等を行っています。大学のある地域に根ざした活動をしており、2016年には活動が認められ北越銀行様が制定している『北越銀行賞』も受賞。民間のボランティア団体などとも交流し、現在もコミュニケーションの輪を広げています。
ホームページ/http://rekuacom.or.tv/