お客さまのアイデアから商品開発にチャレンジ。 「杏仁豆腐風甘酒」を創業15周年祭にて発売。

2024.06.27 Thu

株式会社古町糀製造所が運営する糀甘酒専門店「古町糀製造所」は、2024年7月で創業15周年を迎えます。これを記念して、お客さまの声を元に開発した「みんなの甘酒プロジェクト」を行いました。新商品のアイデアを募集し、選出した4案についてSNSや店頭で投票していただいた結果、「杏仁豆腐風甘酒」に決定。周年祭でお披露目の予定です。

どのような考えで今回のプロジェクトを企画したのか、公募した反響や決定した商品の味わい、これから力を入れたい商品やチャレンジしたい課題などを、株式会社古町糀製造所 代表取締役 小畑宏樹さんに伺いました。

甘酒の魅力を多くの方に伝えるために、多様なフレーバーを発売。

— みんなの甘酒プロジェクトを始めた経緯をお話いただけますか。

小畑 甘酒の魅力を多くの方に味わっていただくため、これまで果物や野菜をはじめとしたフレーバーを加えた幅広いアレンジ商品を発売してきました。これほど多様な商品を展開している会社は他にはないと思います。お客さまも、新しく出てくる商品を楽しみにされているようで、中には「今度はこういう商品を飲みたい」とアイデアを投げかけてくれる方も。そこで15周年という節目の年に、「みんなの甘酒プロジェクト」と称して、お客さまの声を集めて新しい甘酒を作ろうと思ったのです。

 

— SNSで公募されましたが、話題になり多くのアイデアが集まったようですね。

小畑 おかげさまで、重複を除いた個別のアイデア数として200件近くも集まりました。皆さんの想像力には驚かされましたね。特にチーズケーキやアップルパイ、みたらし団子などお菓子に関するものが多かったですね。寄せられたアイデアを社内で検討し、「杏仁豆腐風甘酒」「青汁甘酒」「コーヒー甘酒」「サングリア風甘酒」の4案にしぼり、SNSや店頭で投票してもらいました。

— 投票の結果、「杏仁豆腐風甘酒」に決まりましたね。

小畑 総数325票のうち、約半数の148票を集めて「杏仁豆腐風甘酒」が選ばれました。候補になった4案は全部試作品を作ったのですが、投票で選ばれた杏仁豆腐風が最も甘酒とマッチしましたね。杏仁豆腐風というアイデアはこれまで思いもよらないものでしたが、甘酒との相性が良く、自信を持ってお勧めできる商品になりました。

 

選ばれた「杏仁豆腐風甘酒」は周年祭でお披露目の予定。

— 選ばれた「杏仁豆腐風甘酒」はいつ発売になるのですか。

小畑 毎年創業記念日に合わせて「周年祭」というイベントを6月28日〜7月8日の期間で行っていますが、そこでお披露目する予定です。数量限定で600本の販売を予定しています。今まで甘酒ファンではなかった方にも、ぜひ味わってもらいたいですね。

— 今回のプロジェクトで多くのアイデアをいただきましたが、その中から商品化する予定は。

小畑 今回のプロジェクトは夏限定の商品を想定していたので、寒い季節向きのアイデアは選びませんでした。例えば、お汁粉風のような“ほっこりとした味”などです。まだ決めたわけではありませんが、お寄せいただいたアイデアから冬バージョンの発売も考えてみたいですね。

 

— 今回のプロジェクトを通して、どのような効果を期待していますか。

小畑 甘酒はそれ自体でも美味しいですが、いろんなものを混ぜても美味しい。そんな発想が消費者の皆さんの間に広がるといいですね。今後も甘酒の新しい楽しみ方に興味を持ってもらえるような企画を提案したいと思っています。

 

昨年は新潟の農産品とのコラボで好評を博する。

— これまでどのように商品開発を進めてきたのですか。

小畑 ベースの甘酒があって、そこに果汁などのフレーバーを加えて商品に仕上げています。だからイメージ的にはバーテンダーに近いかもしれませんね。カクテルの場合、お酒が何種類もあってそれを適切な量混ぜ合わせますが、当店は“甘酒屋”なので、そこに味をプラスしてオリジナルカクテルを作っているような感じです。基本の甘酒が美味しいので、あえて複雑なことをしない。それだけは商品開発の際にこだわっている点ですね。

 

— 今まではどれくらいのペースで新商品を開発してきたのですか。

小畑 2020年に私が代表に就任してからは年度の初めに商品計画を策定して、平均して年に2品目は新たな商品を発売してきました。その数は創業以来30種類以上になります。最終的にどの商品にするかは私が決めていますが、社員もみんな甘酒が大好きなので、いろいろアイデアを出してくれます。

— 昨年度はどのようなテーマで商品開発を展開されたのでしょうか。

小畑 年間を通じて新潟にフォーカスした新商品を展開しました。「新潟名刺シリーズ」と題して、新潟の逸品を甘酒の力で県外の皆さまにお届けしようといったコンセプトのもとに展開した取り組みです。春は越後姫、夏は茶豆、秋はいもジェンヌ、冬はルレクチエ。新潟の農産品とのコラボは好評で、今後も定期的に発売できればと考えています。

 

これまでにない新たな試みにチャレンジしたい。

— 創業15周年はこの他にも新商品の発売はあるのでしょうか。

小畑 今年の4月に今までとは違う位置付けの新商品を発売しました。これは乾杯のシーンを彩るノンアルコールの乾杯用甘酒「甘杯(かんぱい)」です。ワインビネガーの爽やかな酸味が、ハレの場のお料理を一層華やかにします。体質、体調、年齢、ライフスタイル。いろんな違いを包み込む「甘杯」は酒どころ新潟からの新しいドリンクカルチャーの提案です。

 

— なぜ、このような今までにない商品を企画したのですか。

小畑 今年度は少し視点が違う取り組みをしようという思いがありました。「みんなの甘酒プロジェクト」と同じように、「甘杯」はコンセプトやラベル・パッケージデザインや価格がこれまでとまったく違います。15周年を機に“新しいチャレンジ”というテーマを設定して展開しているところです。

 

— 代表に就任してまもなく3年目に入りますが、今後の展望を聞かせてください。

小畑 甘酒を通して、糀や発酵といった日本の古き良き食品文化を現代の消費者に伝えることが、変わらぬ使命だと考えています。その軸はブレずに、新たなチャレンジを積極的に行いたいです。例えば、今回の「みんなの甘酒プロジェクト」や「甘杯」をはじめ、法人向けの営業活動や流通チャネルの拡大など。甘酒という商材を通してお客さまの生活に寄与することはもちろんのこと、新潟県の産業への貢献、またその魅力の一部になることができればうれしいですね。

株式会社古町糀製造所

新潟市中央区古町通二番町533番地

TEL:025-228-6570 / FAX:025-228-6571

https://www.furumachi-kouji.com

2009年創業の糀の甘酒専門店です。味噌や日本酒といった伝統の醸造産業とタッグを組んでその世界観を発信しています。健康効果など、その価値が一層高まる発酵食品を中心として玄米という領域にも手を広げていきます。

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