小中学生を対象とした職業体験講座を通して、 様々な職業への興味・関心の芽を育てる機会を提供

2024.08.08 Thu

学校法人国際総合学園FSGカレッジリーグ(福島県郡山市)は2024年5月から2025年2月までの期間、小中学生を対象とした職業体験講座、「FSGおしごと講座2024」を定期的に開催しています。その一環として、小中学生の夏休みに合わせ、7月27日と28日の2日間、「おしごと講座サマースペシャル」を開催し、当日は多くの参加者で賑わいました。

どのような意図で講座を企画・開催したのか、講座の運営で工夫していること、今後の取り組みなどについてFSGカレッジリーグ事業推進部の佐藤 隆浩さんに伺いました。


(トリマーの職業体験)

専門学校の特色を活かし、講座の種類を拡充。

— FSGおしごと講座には、どんな内容があるのでしょうか。

佐藤 FSGカレッジリーグの専門学校5校57学科と高等課程で目指せる職業の講座を、小中学生に受けていただきます。例えば2024年の職業体験講座では、国際アート&デザイン大学校が担当する講座のひとつに「デザイナーのおしごと講座」があります。こちらでは色使いによってイメージが変わることを体験してもらいながら、「みんなに配りたくなるネームカード」をデザインしてもらいます。また国際ビューティ&フード大学校の担当講座には「美容師・ヘアメイクのおしごと講座」があって、「今日から使えるヘアアレンジ」と「傷メイクでメイクアップアーティスト体験」の2つの美容体験をしてもらいます。国際ビジネス公務員大学校では「警察官のおしごと講座」と題して、「犯人逮捕の手がかりを見つける」なんていう体験も。
このようにそれぞれの学校の特色を活かして、楽しく学びながら幅広い職業を体験いただける講座を行っています。子どもたちが様々な職業に興味・関心を持ち、夢に向かって進んでいただけることを目指した取り組みです。

— 職業体験講座を始めた経緯を教えてください。

佐藤 2012年に東北大震災の支援事業の一環として、職業教育の充実を目指して始めました。その後、コロナの影響で中断しましたが、職業に興味・関心を持ち、実際に体験することによって夢に向かって学ぶ楽しさを感じるこの経験はやはり必要なことだと思い、2022年から復活させました。


(警察官の職業体験)

— 再開にあたり期間や内容は変えましたか?

佐藤 以前は講座を2日間開催していましたが、都合が合わずに参加したくてもできない小中学生もいました。また、より多種多様な職業に触れる機会を小中学生に提供したいとも考えていました。そこで、開催日数や講座数、種類を増やして、年間を通して実施するようにバージョンアップしました。
今年はFSGカレッジリーグ創立40周年を迎えるため、昨年よりさらに充実させて、全19日程・86講座を開催します。これだけ大規模に開催できるのは、FSGカレッジリーグの多種多様な職業教育を行う専門学校の職員、学生たちの協力があればこそですね。

— 学生にとってはどのような機会になっていますか。

佐藤 各校との打ち合わせでは、特に小中学生のお子さんがいらっしゃる職員は、「大切な体験だから積極的に進めよう」と積極的でした。また、学生も職員のサポート役として、講座運営に参加しています。いつもは知識をインプットすることが学びの中心ですが、この職業体験講座の運営を通してアウトプットによる学びの機会があります。学生が就職した後に関わる年代の子どもと接する事もあるので、とても良い体験になっています。


(自動車整備士の職業体験)

子どもたちから好評を博し、参加者は年々増加。

— 講座に参加した子どもたちの反応はいかがですか。

佐藤 毎回感じるのですが、子どもたちは職業体験講座を本当に楽しみにしてくれていて、講座が始まる何十分も前から集まってくれることがあります。そのため、職員やサポート役の学生もやりがいを持って取り組んでいます。受講後にアンケートを提出してもらうのですが、「憧れの仕事を体験できてうれしかった」という声が多いですね。またアンケートはその講座を担当した職員と共有し、職員のモチベーションアップや今後の講座の改善につなげています。

— 講座の参加者は年々増えているそうですね。

佐藤 2022年度から職業体験講座を再開したのですが、参加者は2022年度には約300名、2023年度は期間や講座数を増やした結果、延べ約800名になりました。今年度は昨年度を上回るペースですね。またリピーターも増え、一番多いお子さんは11講座も申し込んでくれています。一度体験して楽しさや学びが得られると、違った職業・講座にも興味が湧いてくるのだと思います。


(美容師の職業体験)

福島県内の自治体と連携し、実践教育を推進して地域の活性化を図る。

— 最後に今後の抱負などをお聞かせください。

佐藤 地方都市において、首都圏への若者の流出が課題ですが、福島県にとってもそれは大きな課題です。生まれ育った地域で、魅力ある仕事に就いて暮らしていきたいと思ってくれる人を増やしていくことが、地域の活性化につながります。そう考えると「職業体験講座」の充実や継続は重要です。しかし、FSGカレッジリーグだけでは限界があるので、地域との連携は不可欠です。そこで、私たちは県内の自治体(郡山市・須賀川市・田村市・三春町等17市町村)と包括連携協定を結び、地域活性化につながる実践教育を推進しています。目先のことだけではなく、10年後、20年後を見据えて福島県を盛り上げていきたいですね。

FSGカレッジリーグ

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1984年の開校以来、一人ひとりをサポートして若者の学びの場の充実を図り続けてきました。現在では、20,000人以上の卒業生ネットワークとこれまで積み上げてきた指導ノウハウをもとに、幅広い教育環境とさらなる学生支援体制を整え、「職業教育の質向上」と「福島から世界へ」をキーワードに、国際社会の発展に寄与する教育機関として、さらなる進化を続けていきます。

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