開志専門職大学の学生が企業の新商品開発に挑戦。 企画・販促・販売計画などの実践的な学びを経験。

2024.12.12 Thu

開志専門職大学事業創造学部では、「商品開発実習」でお世話になった協力企業の方々に向けて、学生が考えた新商品企画案のプレゼンテーションを実施。実際の商品化に向けて、15案が採用されました。この実習は2年生を対象にした科目で、同大学の特徴である「長期企業内実習」の導入として、商品企画の立て方、販売促進計画の実行、販売計画の策定をグループワーク形式で学ぶ科目です。

この実習の目的や科目を通して学んでほしいことなどを開志専門職大学 事業創造学部 講師 庄司 義弘さんに伺いました。また、実習に参加した事業創造学部2年生の大滝 一真さん、滝沢 莉彩さんに、具体的にどのような商品開発を行い、その過程でどんな学びがあったのかなどを話してもらいました。

企業から依頼を受けて、グループワークで商品開発を実施。

— 商品開発実習はどのような形で行われたのですか。

庄司 本学では、学生が企業に行って長期間に渡り実習をするプログラムがありますが、その一環でグループワークを通して商品開発を行っていくのがこの実習です。取り組みのポイントは、企画の良さ、商品化の可能性、あとは売れるかどうかの3点になります。新潟県内企業6社にご協力いただき、より実践的な場での学びを提供できたと思います。

 

— 商品開発実習はどのように構成されていますか。

庄司 企業からの依頼・課題をいただいた上で、学生は3人でグループを組み、全部で14のグループが取り組みました。商品開発実習は、今年からのカリキュラムの改訂で新たに始まった科目です。どの企業と提携して商品を提案するかは学生に任せました。

 

— 具体的にはどのように実習を進めていったのでしょうか。

庄司 最初に協力企業から、開発する商品に関するオリエンテーションを受け、その後、グループ内でディスカッションを繰り返しながら開発を進めました。実習の中で私は、新山田 仁先生と一緒に学生と進行状況を確認し、商品のプレ発表を行うためのサポートなどを繰り返しました。


開志専門職大学 事業創造学部 講師 庄司 義弘さん

 

— どのくらいの時間をかけて、この実習を行ったのですか。

庄司 実習は90分の授業を4コマ分、それを毎週行いました。一般の大学と比較して、実践的な学びの時間を多く取るところが本学の特徴です。今年から始まったカリキュラムなので、まだ手探りの部分もありますが、教員と学生がいっしょに作り上げた実習になりましたね。

 

シビアな開発工程を通して実践的な学びを修得。

— 大滝さんは具体的に商品開発にどのように携わったのですか。

大滝(学生) 最も力を入れたのは、商品アイデアの構想です。先生に相談しながらアイデアを磨き、商品化にたどり着けました。将来、日常を豊かにする商品やサービスを作るのが夢なので、アイデアを考える段階に一番力を注ぎました。

 

— 実際に企業の方と打ち合わせをして感じたことはありますか。

大滝(学生) 商品化には多くの課題を克服する必要があるのだと痛感しました。私は新潟土産の定番である笹団子の新商品開発に取り組んだのですが、製造や輸送に関する課題を指摘していただきました。自分たちで調べても分からない点だったので、とても勉強になりましたね。


事業創造学部 2年生 大滝 一真さん

 

— 滝沢さんはどのような商品を企画したのですか。

滝沢(学生) 企業の方からは新潟の素材を使った商品の企画立案の課題をいただき、当初は花を原料にした飲料を考えていたのですが、担当者の方に途中経過を報告したときに、「商品化できるかどうか難しい」というアドバイスをいただきました。そこから「ル レクチエ」に方向転換しました。ル レクチェは認知度が高いので、手に取ってもらいやすいと考えたからです。最終発表まで残り1週間だったので、急ピッチで1から考え直しました。

 

— 企画面と販売面とのバランスを実践で学べたのですね。

庄司 その通りです。本学は実践型カリキュラムで、企業や社会で活躍できるプロフェッショナルを育成することを目指しています。だから実現性が高く、実際に利益も出せる商品。そんな商品開発を経験してもらいたいと考えていました。教員も各業界の現場経験豊富な方が数多く在籍しています。私は元々銀行員だったのですが、もう一人の新山田先生は長年大手百貨店で商品バイヤーを務めていたので、実務家としての視点で学生を指導・サポートしています。それが本学の特徴の一つでもあります。

 

企業への商品プレゼンテーションで課題と手応えを得る。

— 実際に企業へプレゼンテーションをしてみての反応はいかがでしたか。

大滝(学生) パッケージのデザインや商品の味わい、価格設定、販売促進計画などをグループで入念に練って発表しました。商品化に関する改善点のアドバイスをいただきましたが、商品の切り口に関しては高く評価していただきました。

 

滝沢(学生) 1週間で企画を一から変更して提出したことに、驚かれていました。そして、商品名である「潟しぼりル レクチエ」が好評で、覚えやすくて印象に残ることにこだわって考えたので、評価してもらえて嬉しかったですね。


事業創造学部 2年生 滝沢 莉彩さん

— そのほかにプレゼンテーションの機会はあったのでしょうか?

庄司 ビジネスマッチングイベント「日々是新」に参加させていただき、新商品企画案のプレゼンテーションを実施しました。様々な業種の企業が約60社も出展している中で、学生がプレゼンテーションする経験ができたことは、とても貴重な機会となりました。

今回は、株式会社いえい(菜菓亭)様に採用いただいた3案について、商品企画案を担当した事業創造学部2年生の学生3名がプレゼンテーションを行いました。また、会場では試作品の試食とアンケートを学生自身が担当して、今後の商品化のためにリサーチも実施しました。

— 商品化はいつ頃になるのでしょうか。

庄司 企業によって進捗にばらつきはありますが、今後、試作品の試食と意見交換の機会を設ける予定です。その後販売に向けてのプロモーションを順次進めていきますが、今回は2年生が担当したということで、最終的に卒業するまでに実際の商品として流通することを目指しています。

 

産学連携の一環として、今後も本プロジェクトを継続したい。

— この実習で一番学んでほしいことは何ですか。

庄司 商品企画から商品化までのプロセスです。また、プレゼンの伝え方、パワーポイントの作成方法、パッケージデザインやネーミングも含めて、自分が手がけた商品が世の中に出てゆく喜びを感じてもらいたいと思いました。

 

— 今回の経験を生かして、今後力を入れていきたいことは、どのようなことですか。

大滝(学生) 商品企画から販売までの流れを経験できたことが大きかったと思っています。また、ユーザーのニーズを考える力も身に付いたと思います。現在、企業内実習でまた別な企業で実習をさせていただいているのですが、その企業の課題解決に貢献できるように頑張ります。

滝沢(学生) 今回の実習で、販売促進という新たな学びの機会があったので、次の実習先では、学んだことを生かして、その企業にあった販売促進を提案できるように努めます。

 

— 今回の商品化実習について、企業の方の反応は?

庄司 「自社では生まれない発想が学生から出てきてとても良かった」というような話が各社から聞かれました。また、「産学連携で商品を作ることは話題性もあるので、今後も協力したい」というお話もいただいております。これからも他校にはない、独自の実践型の実習を継続することで、企業・社会に通じるプロフェッショナルの養成を目指します。

開志専門職大学

経営学、経済学、商学、マーケティング、商品開発の最先端ビジネスを実践的に学ぶ「事業創造学部」、AI、データサイエンス、IoT、3DCG、サイバーセキュリティ、ロボット、ゲーム、アプリ開発の最先端技術を学ぶ「情報学部」、アニメ、マンガ、キャラクターデザインを制作・研究し、ビジネスへの展開を学ぶ「アニメ・マンガ学部」の3学部を設置。就職に優位となる即戦力、創造力を磨く600時間以上(在学中約5ヵ月)の長期企業内実習で産業界に求められるプロフェッショナルを育成します。

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