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ホテル業界への就職を目指す専門学校生が、 ホテルの企画・運営にチャレンジ。
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国際ホテル・ブライダル専門学校は2024年10月30~31日、ホテルイタリア軒を舞台に「学生が運営する1日限りのホテル」を運営しました。事前に予約を受け付けた30室は完売。事前の準備からフロント業務や体験イベントのアテンドまでを学生が担当しました。
今回のプロジェクトはどのような経緯で企画されたのか、学生たちはどのようにプランを具体化し、その過程で何を学んだのかなどを国際ホテル・ブライダル専門学校 教務部 藤田 愛子さん、今回のプロジェクトのメンバーであるホテル・ウエディング科の帯刀 愛璃沙さん、小柳 和楓さん、五十嵐 伊織さんにお話を伺いました。
学生主体で古町の魅力を経験する宿泊プロジェクトを企画。
― 学生が運営するイタリア軒での「1日限りのホテル」は、どのような経緯で生まれたのですか。
藤田 ホテル業界を目指す学生たちに、宿泊するお客様へ100%のおもてなしをし、120%の満足感を持って帰ってもらうための企画の経験をさせたい、そんな思いがありました。今回のプロジェクトでは、マーケティングから広報、そして接客に至るまで、実践力を身に付ける機会になったと思います。
― どのようにこのプロジェクトを進めていったのでしょうか。
藤田 まず教務部で1泊2日の宿泊プランの全体構想を練り、4月からは36名の学生がディテールの企画・運営を担当。実際の企業のように部署に分け、役割と責任を明確にしてプロジェクトを進めていきました。
国際ホテル・ブライダル専門学校 教務部 藤田 愛子さん
― 今回のコンセプトはどのように決めたのですか。
帯刀 まず、5月に金沢の街並みや伝統文化を取り入れたホテル運営を学びに研修に行きました。そこで宿泊サービスのみならず、地域と観光が密接に結びついたサービスの大切さを学びました。そして、当校やイタリア軒がある新潟市古町のエッセンスをコンセプトに取り入れ、その魅力をお客様に感じていただくにはどうしたらよいか、検討を開始しました。
― その後は具体的にどのような活動をされたのですか。
帯刀 まず古町の現状を把握するため街頭アンケートや、地元のお店100店舗以上に古町の課題について、ヒアリングを行いました。寄せられた意見の多くは、古町を活性化させるためには『若い力やアイデアが必要だ』というものでした。そこで、学生ならではの視点と、街の魅力を掛け合わせた「五感で感じる古町の魅力」というコンセプトで活動を展開しました。そして、プロジェクトの名前を「ふる」にしました。
ホテル・ウエディング科の帯刀 愛璃沙さん
― プロジェクト名の「ふる」に込められた意味を教えてください。
帯刀 私たちにとって、「ふる」には3つの意味が込められています。1つは、このイベントの開催地である古町の「ふる」。2つ目は、予約を受け付けた30室の満室を目指す「フル」。そして3つ目は、ゲストからスタッフまで関わるすべての人の心を満たす「FULL」という意味を込めました。
― 予約で満室になったようですが、どのような営業活動を展開したのですか。
小柳 私は企画営業部長として、新潟や長岡のイベント会場でのチラシ配りやFMラジオ局に出演してのアピールを行い、地元新聞社に記事として取り上げていただきました。また、SNSも活用し、TikTokやInstagramをほぼ毎日更新。さらにはホームページも独学で立ち上げました。このようなリアルとSNSの併用が功を奏して、多くの方々に知っていただくことにつながったのではないかと思います。
滞在、食事、観光と、各部署が独自の企画を展開。
― 10月30日の当日は、どのようにゲストをお迎えしたのですか。
藤田 ホテルイタリア軒のフロントは1階ですが、2階に「ふる」専用の受付スペースを設け、通常のホテルと同じようにチェックインや客室への案内などを行いました。
― 客室や朝食にはどのような工夫をされましたか。
小柳 宿泊部では、街の魅力をお部屋でも感じられるように、古町のお店で見つけた焼き菓子やアロマなどを部屋に設置しました。朝食では、料理部がイタリア軒の関本総料理長と綿密な打合せを繰り返し、古町糀製造所の製品など地元の食材を活かした料理を考案。お客様に満足してもらうために、それぞれの部署が役割を全うしました。
ホテル・ウエディング科 小柳 和楓さん
― ホテル滞在以外に、どのようなアクティビティを準備しましたか。
帯刀 研修で訪れた金沢では、ホテルと地域の観光が密接に連携していました。その経験を踏まえて、「ふる」でも同様に地域の観光と連携した体験を提供したいと考えました。和菓子屋さんのお菓子を味わったり、古町の街並みや紅葉を歩いて楽しんだり、総おどりで古町・新潟の文化を肌で感じたり、ホテルイタリア軒に隣接するお寺で朝ヨガ体験をしたり…夕方・夜・朝の古町の魅力を伝えるために、4つのアクティビティ をご用意いたしました。それが今回の企画で一番こだわったところです。
― お客様には「ふる」を通して何を感じてもらいたかったですか。
帯刀 ホテルでの滞在だけではなく、私たちの愛する場所や体験をお伝えし、楽しんでもらいたいと考えました。私たちの思いが伝わり、お客様の思い出に残るワクワクする体験になればと思いながら準備を進めました。実際にお客様から、「楽しそうに働いてる姿をみて、ワクワクする気持ちで過ごせました」といった感想をいただけて、とてもうれしかったです。
ホテルと連携して実践的な学びの場を経験する。
― 今回のプロジェクトで部署ごとに仕事をしてみて感じたことはありますか。
小柳 企画営業部の責任者として、最初は営業の役割や仕事内容がわからず手探りでのスタートでした。大変でしたが、その分達成感がありました。
五十嵐 私は総務部なので、全体のスケジュール進行や予算の管理が主な仕事でした。それに加えて、部署の分け隔てなくお手伝いできそうなことがあったら積極的に協力していました。いろんな経験ができたところが良かったと思います。
―イタリア軒から各部署へのレクチャーもありましたか。
藤田 はい、貴重なご指導をいただきました。関本総料理長からは朝食メニューの考案について、広報部からはプレスリリースの執筆やウェブサイトの運営方法についてのご指導をいただきました。また、高野総支配人からはホスピタリティにおけるチームワークの大切さを講義していただき、学生はとても勉強になったと思います。
今回のプロジェクトは社会に出たときの貴重な経験に。
― 今回の経験は将来どのように役立つと思いますか。
小柳 私が学んだ最も重要な教訓は、「物事に気づくことの大切さ」です。私は企画営業部長として、各部署の進捗を常に把握し、必要に応じてサポートする必要がありました。だからどの部署の仕事も、常に自分事として捉えることができるようになりました。この経験は間違いなく就職したときに役立つと思っています。
五十嵐 私は総務部の仕事を通じて、全体像を把握する視点が身についたので、接客業に就いたときに役立つのではないかと思っています。そういった意味で、貴重な学びになりました。
ホテル・ウエディング科 五十嵐 伊織さん
帯刀 私は総支配人の役割を通して、判断力が身に付きました。責任ある立場として、最善策を自分が決めなければいけなかったため、周りを見る力もついたと思います。そして困難な状況でも前向きな姿勢を保つことの大切さを学びました。実際社会人になって現場に出て経験を積むと、後輩を指導する立場になると思うので、そういうときにみんなを引っ張っていく力も付いたのではないかと感じています。
― このプロジェクトから学生たちに何を学んでほしいですか。
藤田 ホテル事業を学ぶことはもちろんですが何事も他人事ではなく、自分事と捉えてほしいですね。社会に出たときに自分の最低限の役割だけではなく、会社をよりよくするには何が必要かなど、自発的に行動することが大切です。この考え方は仕事にはもちろんこと、プライベートの充実感にもつながると信じています。だから、今後も「学生が運営する1日限りのホテル」を続けていき、学生に自分たちで考えて行動する力を養ってもらいたいと思います。
国際ホテル・ブライダル専門学校
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