- ニュース&トピックス
【国際自然環境アウトドア専門学校】第72回生態学会札幌大会にて、i-nac博物館プロジェクトについてポスター発表!
NSGグループの国際自然環境アウトドア専門学校は、第72回生態学会札幌大会において「i-nac博物館プロジェクト」に関するポスター発表を行いました。本プロジェクトは、地域の生物多様性情報の蓄積・普及を目的とし、地域社会と連携しながら持続可能な生態系保全の仕組みを構築する取り組みです。
【生態学会での発表の概要】
日時:2025年3月17日㈪12:00-14:00
場所:札幌コンベンションセンター
ポスタータイトル:i-nac博物館プロジェクト:専門学校は博物館の機能を代替できるか?
発表内容:博物館の主な機能として①収集・保存、②調査・研究、③展示・教育の3つが挙げられます。新潟県妙高市には博物館がないため、上記の3つの機能を果す組織がありません。そのため、自然ガイドや自然環境調査員を養成しているi-nacが博物館の3つの機能を代替し、地域社会への貢献や生物多様性の主流化促進を目指します。本発表では、これまでi-nacが地域社会に向けて行ってきた保全、調査、研究、教育実績を紹介しています。

本発表では、地域の博物館機能を補完する試みとしての取り組みに対し、多くの関心が寄せられました。特に、「学校が主体となって生物多様性情報を蓄積・発信する点がユニークだ」との意見や、「他の地域でも応用可能なモデルになり得るのでは?」といったコメントがありました。
また、発表を通じて、長期的なデータ蓄積の課題や、地域住民との連携の重要性を再認識しました。今後は、より多くの市民や教育機関と協力し、データの共有や自然体験イベントの充実を図っていく予定です。
本活動は第23回こしじ水と緑の会・朝日酒造自然保護助成金の助成を受けたものです。
【プロジェクトの背景・目的】
妙高市の花房山(460m)および高床山(527m)は、市街地や水田に囲まれた低山地でありながら、ブナの低地二次林をはじめ、多様な生物相を有しています。猛禽類のサシバ・ノスリ・オオタカ、絶滅危惧種のギフチョウ・ヨコヤマヒゲナガカミキリなど、貴重な動植物が生息しています。
しかし、近年では生息環境の変化が課題となっています。例えば、当校キャンパスにおいて2022年まで営巣が確認されていたチョウゲンボウは、2023年の校舎改修に伴い営巣環境を失いました。また、地域内には陸生生物の生物多様性情報を蓄積・更新する機関がなく、絶滅危惧種の情報を一元的に集約・公開する仕組みも整備されていません。
こうした背景から、i-nac博物館プロジェクトは、当校が地域の博物館機能の一部を担い、生物多様性情報の蓄積と普及を推進することを目的としています。
【具体的な活動内容】
本プロジェクトでは、以下の3つの活動を柱としています。
1. 生物相調査の再現と生態系変遷の分析
・2009年に実施された花房山・高床山の生物相調査を再現し、里山の生態系の変遷を解析。
・ 過去の調査では確認されなかった蛾類や有剣ハチ類を対象に加え、記録種数を300種に拡大することを目指す。
2. 猛禽類の営巣環境再構築
・チョウゲンボウの営巣環境を再生するための巣箱を設置し、その利用状況をモニタリング。
3. 自然体験プログラムの実施
・ 生物標本作製や観察会を含む体験型の教育プログラムを提供。
・1年半の活動期間中に5回の自然体験イベントを開催し、延べ100名の市民参加を目指す。
【期待される効果・影響】
2022年の博物館法改正により、博物館の役割として「地域における学びの拠点」や「生涯学習・教育の推進」が強調されています。本プロジェクトは、地域の教育機関が博物館機能を補完する新たな形態の実践として位置づけられ、以下の点で地域社会に貢献することが期待されます。
· 生物多様性の主流化
生物多様性の情報を蓄積・公開することで、地域社会の環境意識を高める。
· ネイチャーポジティブの推進
自然環境の保全と持続可能な利用を両立させ、地域振興につなげる。
★学科に興味がある方はコチラ
自然ガイド・環境保全学科(3年制) https://www.i-nac.ac.jp/course/nature-guide
自然環境保全学科(2年制) https://www.i-nac.ac.jp/course/nature-conservation
★直近のオープンキャンパスの日程はコチラ(https://www.i-nac.ac.jp/opencampus)
2025年4月19日㈯、5月17日㈯、6月7日㈯
その他個別学校見学等も随時受け付けています。
国際自然環境アウトドア専門学校
所在地:新潟県妙高市原通70