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商用EVを活用して地域の発展と、 脱炭素社会の実現に向けてチャレンジ。
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愛宕商事(株)では商用EV(電気自動車)の普及促進を目指して、 EVを開発・製造する(株)EVモーターズ・ジャパンとEVリースに実績のある芙蓉オートリース(株)、NSGグループの専門学校 新潟国際自動車大学校、国際情報工科自動車大学校を運営する(学)国際総合学園と協力協定を結び、協定締結式とEVバスの試乗体験を行いました。
商用EV事業を始める経緯や協力協定の目的、今後の課題と目指している未来などを、愛宕商事(株)ビジネスソリューション事業部 部長 北垣大介さんに伺いました。
時代の課題解決の一つとして、EV事業に興味を持つ。
ビジネスソリューション事業部とは、どのような業務を行っているのですか?
北垣 以前は教育事業部という事業部名で、主にNSGグループ内の教育機関及び各法人向けに備品調達や販売を行っていました。学校及び法人運営を支援する業務経験と商社機能を活かして、様々な分野での課題解決を目指す新たな事業にも挑戦しています。その中には商用EVを含むモビリティ関連の事業も含まれています。たとえば、新潟医療福祉大学、新潟食料農業大学、新潟大学などと提携し、学生向けのカーシェアリングサービスを提供しています。さらには、新潟市北区と連携し、新潟市内で初の電動キックボードのシェアリングサービスのテスト運用も開始しました。
EVバスの事業を取り組み始めるきっかけを教えてください。
北垣 NSGグループの大学や高校には、通学用や学校行事で使用するスクールバスがありますが、これらに排気ガスが課題となるディーゼル車ではなく、脱炭素社会の実現に貢献するEVを導入できないかと考えました。
ワンチームとなりEVバスの新潟・福島での普及促進を目指す。
今回、商用EVに関する業務協力の覚書を交わしましたが、その経緯を教えてください。
北垣 商用EVの事業化に向けてさまざまな検討を行っている中で、NSGグループとも繋がりのある芙蓉総合リース株式会社のグループ企業である、EVリース分野で実績を持つ芙蓉オートリース株式会社とのご縁で、EV車を開発・製造するEVモーターズ・ジャパン株式会社との出会いが生まれました。そこから商用EVの普及促進のための協議を進めてきました。また、EV車両に関する整備知識を持つ人材を育成するために、NSGグループの専門学校とも連携。これらの企業と機関が協力し、新潟・福島で商用EVの普及促進を目指して協定を締結しました。
EVモーターズ・ジャパンはどのような会社なのですか?
北垣 北九州市に本社を構える企業で、商用EV(バス、トラック、トライクなど)に特化した開発・製造を手掛けています。創業者の佐藤裕之社長はエンジニアとして30年以上にわたりリチウムイオン電池の研究開発に従事されていました。同社の商用EVは独自技術のモーター制御システムを採用し、スムーズな出力制御により「低電力化とバッテリーの長寿命化」を実現しています。大阪・関西万博の会場でもEVモーターズ・ジャパン製のEVシャトルバスが運行されます。
専門学校とは具体的にはどのような提携を想定していますか?
北垣 NSGグループには新潟県と福島県に自動車整備士を養成する専門学校があります。現在は内燃機関の自動車整備を中心に実習を行っていますが、EV車両のメンテナンス技術の習得は不可欠になっています。協力協定締結各社との情報共有や教育プログラムにおける連携、そしてEVモーターズ・ジャパの最先端の工場での研修も想定しています。学生にとっては知識・技術の習得の場になると同時に、学習のモチベーションアップにつながる素晴らしい機会になるのではないでしょうか。
試乗会でEVバスの魅力を体感。
EVバスの試乗会を行いましたが、その趣旨を聞かせてください。
北垣 EVバスに興味があっても、実際に試乗した方は多くないと感じていました。そこでEVコミュニティーバスを用意して、自治体や交通関連の企業の方々をお招きして試乗会を行い、併せて車両の詳細情報や特長を紹介する機会を設けました。ご参加いただいた方からは、「エンジンの騒音や振動がないため、乗り心地は快適」や「トルクが大きく加速が速いため、信号待ちからの発信がスムーズ」など、良い評価をいただきました。
EVバスはどのようなところで活躍しそうでしょうか?
北垣 自治体のコミュニティバスや観光循環バスなどを考えています。現在、新潟空港と新潟駅を結ぶシャトルバスの一部では、EVバスが導入されています。一定区間や近距離の運行は充電の管理が容易であるため、自治体のコミュニティバスや観光循環バスにとって、EVバスが適していると考えています。試乗会には新潟県内各地の自治体の担当者様から多数ご参加いただきました。特に、まもなくバスの入れ替え時期を迎える自治体の方々は大きな関心を寄せてくださったようです。
EVバスを普及する上での課題はどこになりますか?
北垣 EVバスの初期費用はディーゼル車と比較して約1.5倍かかりますが、国の補助金が利用可能であり、さらに燃料費と充電費用を比較すると、既存のディーゼルバスに比べて運行費用削減が期待されます。これにより、走行距離にもよりますが、4~5年で初期費用の差額を回収することもできます。10年経過後にはリチウムイオン電池の交換に伴う追加コストが発生しますが、それでもトータルコスト面での優位性があり、環境への影響だけでなく経済的な合理性も大きいと言えます。新潟県では既に脱炭素先行地域として関川村、佐渡市が認定されており、また新潟市も2050年にゼロカーボンシティを目指すと宣言しています。EV化の社会的な意義と経済的なメリットを広く県下へ発信していくことが重要だと考えています。
協力協定各社の強みを生かし、経済・環境の両面で貢献。
普及促進に関する今後の展望について聞かせてください。
北垣 EVモーターズ・ジャパンではバスはもちろん、トラックなどの物流車も手がけています。最初は自治体のコミュニティバスや観光循環バスなどを活用していただくことを想定していますが、物流車および物流車をリモデルすることで福祉車両等にも活用することができます。寒冷地における積雪や暖房使用によるバッテリー消費量などの諸問題を解決しながら、将来的には自治体に限らず、広く幅広い業種の法人での需要も見込めます。自家用EV車の普及は大手自動車メーカーに任せて、私たちは商用EVの先駆者になることが目標です。
あくまでもバスは商用EVの入口なわけですね。
北垣 最初にニーズの高いバスを取り組み、徐々に新しいフィールドを広げていくイメージです。商用EVの普及を通じて、ゼロカーボンという社会課題解決の一助となればと考えています。当社は、幅広い分野での業務を遂行し、安定した基盤を築いています。これらの実績と基盤があるので、今回のプロジェクトをはじめとした新しい分野への積極的なチャレンジができると考えています。NSGグループの一員である当社は常日頃から新規事業へのチャレンジを奨励しており、それが当社の社風となっています。今後も地域経済の発展とゼロカーボン社会の実現に貢献できるよう励んでまいります。
愛宕商事株式会社
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愛宕商事株式会社は、NSGグループの商事事業部門を担い、物品の販売から始まり、保険代理店、環境事業、旅行代理店、指定管理事業、調剤薬局など、多岐にわたる事業展開で社会のニーズに対応し、人々の幸福と豊かさを目指している商社です。
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