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国土交通大臣賞を受賞! 学生と新潟市が協働した下水道広報啓発活動。
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新潟法律大学校(NLEED)は、地域課題の解決を目指し、地域活性化ゼミを開設しています。このゼミでは、数々のビジネスコンテストに参加し、優秀な成績を収めてきました。2023年度には「循環のみち下水道賞」の国土交通大臣賞を受賞しました。この賞は、新潟市と協力して行った下水道の広報及び啓発活動が評価されたものです。
新潟法律大学校の教務部就職室長である戸田聡さんに、下水道の広報啓発活動をゼミ活動のテーマとした経緯、新潟市の支援と協力体制、具体的な活動内容、そして学生がこの活動を通じて得た経験についてお話を伺いました。
ゼミ活動の一環として地域の課題解決に取り組む。
― ゼミ活動に取り組み始めた経緯や目的を教えてください。
戸田 2012年、新潟法律大学校の前身の新潟公務員法律専門学校2年生を対象に、未知の問題に対する解決能力を養う人間性教育の一環として、地域活性化ゼミを立ち上げました。このゼミでは、産学連携を通じて新潟市の古町商店街や万代シテイ商店街で新潟の面白い特産物を集めた物産展などの活性化施策を展開し、大学・大学院・短大・高専・専門学校の学生を対象にしたビジネスプランコンテスト「キャンパスベンチャーグランプリ」に応募してセミファイナルに残るなど一定の成果を挙げました。その成功をベースに、新潟法律大学校でも、活動の範囲をさらに広げ、様々なコンテストへの応募も始めました。
― どのようなコンテストに応募されたのですか。
戸田 自治体や企業および大学が主催する公募コンテストに参加しました。卒業とともにメンバーは入れ替わっていきましたが、プロジェクトを重ねるごとに、企画の質が向上し、受賞することが増えました。特に2023年3月に東京大学公共政策大学院が主催した「チャレンジ!!オープンガバナンス」という地域課題解決をテーマにしたアイデアコンテストにおいて、下水道事業の重要性を知らせたいという地域課題に対して新潟市下水道部と共同で行った下水道事業の広報啓発活動で私たちは「連携体制賞」および「JIPDEC(協賛団体賞)」を受賞しました。
― なぜ下水道をテーマに設定したのですか。
戸田 ゼミ活動で自治体と協働して地域課題を解決したいと考える中、新潟市下水道部とつながることができました。下水道部の方から、日常生活の基盤としての下水道の重要性について、市民が十分に認識していないという問題を知りました。この課題に解決するため、新潟市下水道部と共に広報啓発活動をテーマとして取り組みたいと申し出たところ、快く引き受けていただきました。そして下水道部の職員の方から計4回にわたりご講義いただき学生たちはその理解を深め、この学びを活かして下水道のPR活動を学生自身が企画・実施する「Gゼミ(Gは下水道の”G”から)」を立ち上げることになりました。
自治体と連携しながら下水道の広報啓発活動を積極的に展開。
― Gゼミはどのような活動を展開したのでしょうか。
戸田 Gゼミは、「下水道はアートである」というテーマのもと、下水処理場が美しくみえる視点から撮影し、その写真を展示するチームと、下水道に関する自由研究教室を実施する2つのチームに分かれて活動しました。自由研究教室のチームは、実際に小学生や高校生を対象に自分たちの取り組みを授業で発表しました。この経験の中で子どもたちの笑顔を直接見ることができ、その感動をきっかけにモチベーションが高まり、授業内容のさらなる向上に意欲的に取り組むようになりました。
― 学生はどのように授業のレベルアップを図ったのですか。
戸田 新潟市下水道部の方々の協力が大きかったですね。学生たちの授業内容に対する助言や監修、さらには広報用パネルの貸し出しなど、幅広く丁寧な支援を提供していただきました。このサポートに応えるように、学生たちは授業のリハーサルにも情熱を注ぎ、徹底的に準備を行いました。また教えることを通して、学生たちは下水道に対する理解と関心を一層深めることができました。
「自分ごと」で取り組み、国土交通大臣賞を受賞。
― 国土交通大臣賞「循環のみち下水道賞」を受賞できた要因は。
戸田 学生たちが自ら下水道広報の手法を考案し、それを実際に実行に移した点にあります。学生が活動の中心となり、新潟市下水道部や学校は必要に応じて支援するという活動でした。また、官と学が協力するという点を高く評価いただけたことも、受賞の大きな要因でした。それ以上に、学生たちの積極的な姿勢で取り組んだことが、この賞を受賞する上で重要であったと思います。
― なぜ学生はそこまで打ち込むことができたのでしょうか。
戸田 活動は引退した先輩から引き継いだものでしたが、進めていく中で、学生たちはプロジェクトを「自分ごと」として捉え、積極的に取り組み始めました。自由研究教室を実際に体験してみると、子どもたちの反応が良いことから、さらに活動を楽しく感じるようになりました。このようにして、良い循環が生まれたようです。また、東京大学で行われた表彰式に参加した際の感動も、彼らのモチベーションを高める要因の一つとなりました。
― 今年も「チャレンジ!!オープンガバナンス」に応募したようですね。
戸田 はい。今年は下水道事業の重要性をサーキュラーエコノミー(循環経済)をテーマにしたカードゲームで展開することをプレゼンし、順調にファイナルまで進出しました。そして、東京大学で最終プレゼンを行い、見事に学生賞を受賞しました。この取り組みは、今までと同様に新潟市下水道部と協力して進めてきましたが、将来的には全国の下水処理場に広がっていくことを学生たちは夢見ています。
ゼミ活動を通して人間的に成長し、就職実績も好調。
― ゼミを通して学生は得るものが多いのではないでしょうか。
戸田 ゼミ活動の際、学生たちにアドバイスしているのが「自分ごと」としてチャレンジすることです。つまり、他者からの指示ではなく、各自が自らの責任を持ち、社会的な課題に向き合い、考え、行動し、具体的な解決策に向けて行動することです。こうした取り組みから得られる達成感が、学生たちをひとまわり大きく成長させると思います。
― 就職活動でも大きなPRになると思いますが。
戸田 おかげさまで公務員試験をはじめとした就職実績は好調です。ゼミ活動は、自己PRの強力な武器になります。また、新潟市との協働を通じて、通常では得られない刺激を受けながら、プレゼンテーションのスキルも磨くことができました。これらの経験も、就職活動において大きな強みとなっているのではないでしょうか。
― 就職しても「自分ごと」として業務を進める人材になることが期待できますね。
戸田 はい。仕事をするうえで大切なことの一つは、「協力して共通の目標を達成すること」です。ゼミ活動を通じて、このスキルを身に付ける機会が得られると考えています。また、成果を挙げることで、仕事に対するやりがいを感じることができるでしょう。卒業後も、このような経験を活かし、生まれ育った新潟の課題解決に貢献できるよう行動してもらいたいですね。
新潟法律大学校
新潟法律大学校では、中央大学法学部(通信教育課程)を併修し、学士(法学士)が取得可能。大学で学ぶ“教養力”と即戦力となれる“実践力”を同時に学べるカリキュラムとなっています。法律の専門家である弁護士や司法書士、行政書士の他、公務員などを目指し、多くの人の暮らしを支え、地域社会や国家を支える即戦力を目指します。
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