給食のフードロスを削減して循環型農業で持続可能な食提供を! 「おいしい」で地域を支える日本フードリンクの取り組み

2022.07.04 Mon

医療・福祉施設や学校における給食の調理・食事の提供サービスを行っているNSGグループの株式会社日本フードリンク。新潟市東区にある日本フードリンクのセントラルキッチンでは、一日2,200食程の学校給食をつくっています。今回は、同社で行っている調理段階で出る残渣(ざんさ)や給食の残り物をリサイクルし、フードロスを削減する取り組みについて学校給食事業部部長の加藤崇さんにお話を伺いました。

フードロス削減のための循環型施策とは

―株式会社日本フードリンクで行っている、フードロス削減の取り組みについて教えてください。

加藤 日本フードリンクは、レストラン経営からスタートし、学校給食には平成15年から参入し20年近く経ちました。現在は給食を調理するセントラルキッチンから新潟市東区・北区の中学校10校に提供しています。給食は複数のメニューから選択することができます。
このセントラルキッチンでは、給食を毎日2,200食程作っています。調理段階で出る野菜の切れ端など料理には使えないものを食品業界では残渣(ざんさ)と呼びます。この残渣や、給食の食べ残しなどの廃棄物を減らす努力をしてはおりますが、どうしても出てしまうんです。それらを全て捨てると膨大な量になってしまう。だから、当社では特殊な機械を導入して、それらをできるだけリサイクルしています。

―いったいどのような機械なのでしょうか。

加藤 機械に残渣や廃棄物と共に菌を入れて熱処理すると、24時間で堆肥になるんです。機械で堆肥にしたものを、同じNSGグループの株式会社アグリライフで米や野菜の栽培へ活用してもらっています。食材からできた堆肥は栄養たっぷりなので、化学肥料を減らしておいしい野菜を作ることができます。
そして栽培した米や野菜を、また日本フードリンクで給食の材料として利用する。このようにして、何もしなければ廃棄されるものを循環させているんです。

―具体的にはどれくらいの量をリサイクルしているんですか?

加藤 毎日約100キロ程度をリサイクルしています。この機械は、1日最大130キロくらいまでの残渣などを堆肥化できます。
機械で堆肥にするには費用が発生します。しかし、廃棄物として処理したとしても費用が発生してしまいます。そうであれば、廃棄物を減らすことで環境への負荷も減らせるため、リサイクルすることにしました。当然のことと思いますが、環境にいい方法を選択しますよね。

―廃棄量を減らせ、化学肥料の使用も減らせ、環境負荷も減らせるといいことづくめですね。地産地消の取り組みでもありますね。

加藤 はい。新潟市は、給食での地産地消を推奨していますが、こうやってグループ企業同士で協力して、今までは廃棄していたものを有効に活用し、地域で循環させる取り組みをすれば、地産地消の取り組みにもなると思います。
また、循環型農業の取り組みとは別の話になりますが、地元産の野菜で、見た目が良くなかったり、規格外であったりするために店頭では並べられないB級品も仕入れています。味は変わらないのに、見た目だけで弾かれて野菜が廃棄されてしまうのはもったいないですよね。こちらも、フードロス削減や地産地消に繋がればという思いで給食に活用しています。

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