自然環境にやさしい和紙繊維で寝装品を開発。 循環型商品として注目される「和紙ぐらし」。

2023.01.18 Wed

試行錯誤を繰り返し商品化へ。お客さまからは高評価を。

― 和紙を使った商品は注目されているのですか?

皆川 和紙は繊維業界で注目されています。しかし、洋服やタオル、靴下などの商品化は進んでいますが、寝装品を手掛けるのは数社だけ。キュアテックスとしては初めての取り組みだったそうです。弊社では、これまで自社商品は多くなかったのですが、同じNSGグループの一員であるホテルイタリア軒にオリジナルショップ「PER SEMPRE」のオープンが決まり、積極的に取り組んで行こうというタイミングでした。

― 何か商品を発売するまでのエピソードはありますか?

皆川 和紙素材を提供するキュアテックスは、布団カバーのような長い反物を作るのは初めてだったので苦労したようです。またそれをどう縫製で繋ぎ合わせるかの工夫も課題でした。製品が完成すると、和紙なので耐久性のテストが必要。そこでホテルイタリア軒の協力のもと、客室で実際に布団カバーを使用していただきました。何回か洗濯を繰り返す中で縫いが弱いことが分かり、その点を修正。そして2022年10月から「和紙ぐらし」という商品名で布団カバー、シーツの販売を開始しました。

 

― 「和紙ぐらし」を発売して、お客さまの感想はいかがですか?

皆川 お客さまからは「初めての手触りで不思議だけと、掛けてみるとサラサラで気持ちいい!」「軽くて肌にフィットする感じ」と嬉しい言葉をいただきました。この商品は繊維の安全指針「エコテックススタンダード100」の最上級の認定を受けています。布よりも吸湿性が優れているので、蒸れたりせず快適にお休みいただけると思います。

 

環境負荷の低い商品の開発・販売を通し、社会に貢献。

― SDGsにも貢献できる商品ですが、どのように広めていきたいと考えていますか?

皆川 ショップでは直接商品に触れていただき、その魅力を体感してもらいたいですね。またSDGsに敏感なお客さまは首都圏にもたくさんいらっしゃるのでネット通販にも力を入れています。さらにはSDGsの先進国とも言われるアメリカでのネット通販を予定しています。障子や提灯などの日本文化に興味があると聞くので、和紙素材の寝装品にも関心を持っていただけるのではないかと期待しています。

― 使用済みの商品は土に還るそうですね?

皆川 はい。和紙を原料とする天然素材であるため、埋めると土に還ります。数年後に使用済みの商品が出た場合、当社が回収し、キュアテックに送ります。そして農地の土壌改良に活用。土に還り土壌を豊かにする効果があるからです。改善された土壌で安全・安心な野菜を育て、さまざまな食品に調理・加工して提供するという、まさに循環型のサイクルを実現する商品です。当社も販売を通じて、より人の健康に貢献できればと思います。

 

 

― これから新たに取り組んでいきたいことは?

皆川 現在、「和紙ぐらし」の生地の色は白ですが、色のバリエーションを考えています。でも同じ色をつけるなら、廃棄野菜やワインの葡萄の搾りかすといったようなSDGsに貢献できる素材を活用できればと考えています。また羽毛のリサイクルも企画中です。家庭で使わなくなった羽毛布団などを回収して洗浄し、ホテルなどで使っていただけないか。お求めやすい価格になり、なおかつリサイクルにもなります。「和紙ぐらし」をきっかけに、SDGsへの貢献に繋がる商品開発に積極的に挑戦していきたいですね。

株式会社エバーソフト

新潟県新潟市中央区堀之内南2-18-19

TEL:025-243-3500

https://eversoft.jp/

 

interior& bedding PER SEMPRE-ペル センプレ-

新潟市中央区西堀通七番町1574番地

ホテルイタリア軒地下1階PLAZA ITALIA

TEL.025-378-0680

 

1956年、創業者が一枚の天然ゴム製布団の行商から、エバーソフトは始まりました。長い時を経て、寝具全般からインテリア関係へと取り扱う範囲こそ広がりましたが、「お客様に寄り添った快適ライフのご提案」という姿勢は、創業時もいまも不変です。エバーソフトは「快適ライフ」をより広義に捉えなおし、既存の枠組みにとらわれないしなやかな発想で新色を添えつつ社会を彩り、日本に活力を供給しつづける企業でありたいと考えています。

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