革新と挑戦で介護福祉の未来を切り拓く。新たなステージへの挑戦。

株式会社ベスト・ケアー / 坂本 和徳
2025.02.06 Thu
PROFILE
坂本 和徳
株式会社ベスト・ケアー 代表取締役社長
九州出身。学生時代から体育会系で野球に励み、卒業後は企業に就職して社会人野球を続けながら営業職を務める。20代後半に介護業界へ転職。30代半ばで起業して居宅介護支援や訪問サービス事業を運営する。その後上京し、介護事業のブランディングなどに携わる。2021年にNSGグループへ入社し、株式会社ベスト・ケアーの執行役員に就任、2022年に取締役、2024年に代表取締役社長に就任する。
社会人になり、野球と営業職の二刀流で邁進する。
20代後半に以前から興味のあった介護業界へ。
経験を積んで30代半ばで、熱い志を持って起業。
居宅介護支援や訪問サービス事業を運営する。
40代に九州から上京して介護事業のブランディングに従事。
50代に入り、人生の転換期に新たな挑戦としてNSGグループに入社。
これまでの経験を活かして、企業改革を行い、事業を成長させる。
そんな坂本さんの原動力となったチャレンジスピリットとは。

地方から全国、世界へと事業を展開する姿勢に共感── 転職決断の背景

株式会社ベスト・ケアーのこれまでの軌跡や事業内容について教えてください。

1994年に創立し、NSGグループに加わったのが2009年です。事業内容は、在宅サービスに特化し、訪問介護、デイサービス、福祉用具販売、居宅介護支援事業所の4つを柱としています。

近年は新しい事業を加え、成長を遂げているとのことですが?

2020年にヘルスケア事業の店舗を引き継ぎ、2023年にはデイサービス事業所を増やしました。この4年間で事業規模が飛躍的に拡大し、今期は売り上げも以前の2倍以上となる見込みです。当社は今年で創業30周年を迎え、新たな歴史を築く節目を迎えています。

NSGグループにキャリア入社されたきっかけは何でしょうか。

私は介護保険が始まった25年前からこの業界に携わり、経験を積んで来ました。また、近年では介護事業のブランディングや経営支援にも取り組んでいました。そんな中、50歳という人生の転換期を迎え新たな挑戦と自己成長の場を探していたところ、2021年にNSGグループから声をかけていただき、(株)ベスト・ケアーの執行役員として入社しました。

NSGグループに魅力を感じたポイントは何ですか。

私は九州出身で、事業を創造し、地方から全国、そして世界へと発信していくNSGグループの力強さや企業姿勢に深く共感しました。また、2026年に50周年を迎えるNSGグループの歴史が、挑戦と成長を繰り返してきた自分の人生の歩みと重なり、ここで挑戦してみたいと思ったのです。さらに、長年スポーツに関わってきた私にとって、アルビレックスをはじめとするスポーツ事業との親和性も大きな魅力でした。「ここが、自分の最後の挑戦の場だ」と強く感じ、入社を決意しました。

坂本和徳社長インタビュー

経営改善に着手し、2年で大きな成果を達成。

入社の際にビジョンはありましたか。

NSGグループ自体は非常に大きな組織ですが、ベスト・ケアーはまだ発展途上の会社。そのため、「3年、5年、10年と発展させ、上のステージへとステップアップさせたい」という思いがありました。挑戦することが大好きな性格なので、会社の成長を描くだけでワクワクしましたね。

発展途上の会社を成長させるのは、難しい挑戦だったと思いますが。

確かに簡単ではありませんでしたが、スポーツ選手や経営者の本を読んできた影響で、「厳しい環境でこそ成長できる」という信念がありました。人生を振り返ると失敗も多かったですが、その分、成功したときの達成感や新たな挑戦意欲が強まりました。結果として、チャレンジすること自体が楽しく、やりがいを感じられるようになったと思います。

入社後、どのように組織改革を進めたのですか。

まず、成長の余地が大きい福祉用具事業部とデイサービス事業部の改善に着手しました。課題を検証した上で営業戦略を再構築し、PDCAを回せる体制を整え、数値管理を徹底することで、2年間で事業全体に大きな進展をもたらしました。

株式会社ベストケア―での会議風景

「自分が利用してみたい」半日型デイサービス施設を開設。

他に取り組んだことはありますか。

当社の事業の一番の柱は訪問介護事業ですが、ヘルパーの高齢化や人材不足が課題でした。この課題解決のため、お客様の割り振りを見直し、介護サービス責任者の業務割合を再検討するなど、組織体制の改革へ着手。これらの改革により効率が向上し、利益率も改善しました。

将来を見据えた新しい取り組みについて教えてください。

未来を見据えた取り組みとして、半日型通所介護「BestSPA小茂根」を開設しました。これは、お風呂と機能訓練を半日で提供するという、新しいデイサービスのモデルです。NSGグループの行動指針「関わる分野のNo.1、Only1を目指す」を実現するため、これまでの経験を活かし、必ず成功させるという確信を持って挑戦しました。

そもそも、なぜ半日型のデイサービス施設を作ろうと思ったのですか。

「私たちの年代の人が高齢者になったとき、果たして今のようなデイサービスに行きたいか?」と考えたときに、“まず、自分が行ってワクワクする施設を作ろう”と考えたのです。岩盤浴やアロママッサージといった新しいサービスを取り入れ、さらに半日型とし、趣味に時間を使いたいというニーズにも応える施設を目指しました。

半日型デイサービス施設「 BestSPA小茂根 」
半日型デイサービス施設「 BestSPA小茂根 」

介護業界を身近に感じてほしい。ラジオ番組やSNSでの発信に取り組む。

広報戦略委員会を立ち上げ、情報発信にも積極的に取り組まれていますね。

同じNSGグループの愛宕福祉会が板橋区に事業所を構えているため、頻繁に情報交換を行っています。その中で「一緒に池袋FMでラジオ番組をやりませんか?」というお誘いを受け、週1回の番組がスタート。福祉に関する情報番組で、医療・介護・福祉業界のゲストを招いてお話をいただくスタイルです。2025年の1月で4年目を迎えます。

なぜ、今までに無いような情報発信に取り組んだのですか。

介護業界に人が集まりにくい現状を変えたいという思いがきっかけです。現場で働くことのやりがいや魅力を電波で発信し、関心を引きたいと考えました。また、SNSも活用して若者に向けた情報発信を強化しています。「ベスト・ケアーは何か面白いことをやっている」という印象を持ってもらうことが狙いです。

広報委員会では、ラジオ番組のテーマやSNSの内容など、広報戦略を企画しています。私自身もTikTokの動画制作を手掛けており、全国のフォロワーの方々から「内容が良く勉強になる」といったメッセージをいただくことが励みになり、今後の発信の原動力となっています。

社員教育とリーダーシップで、チャレンジ精神を育む環境を整備。

2022年に取締役、そして2024年に代表取締役社長に就任されました。人材育成で注力していることは何でしょうか。

まず、働きやすい環境の整備です。当社は「TOKYO働き方改革宣言企業」として長時間労働の削減や年次有給休暇等の取得促進等の働き方改革に取り組んでおり 、家庭の事情を考慮した職場づくりを推進しています。特に30代、40代の従業員が働きやすい環境を提供することを重視しており、計画的に休みを取得できる組織づくりに取り組んでいます。

さらに、人材育成にも力を入れています。30代半ばの社員にはNSGグループの「次世代経営者人材育成制度」に参加し、自ら考え行動できる力を育む機会を提供しています。各事業部の責任者たちは自発的に考えて行動する姿勢を身に付け、この数年で大きく成長しました。また、キャリア入社した社員にも、NSGグループの価値観や考え方に触れる機会を積極的に提供し、チーム全体が一体感を持って進めるよう努めています。

これらの取り組みを通じて、今後2~3年でさらに強固な組織体系を構築したいと考えています。

社員の成長やチャレンジ精神を促す上で、意識しているポイントは何ですか。

できるだけ各事業所へ足を運び、短時間でも従業員一人ひとりに声をかけるようにしています。小さなことでも褒め、正しく評価することが大事だと思います。課題を与える際には「こうしなさい」と行動を指示するのではなく、複数の選択肢を提示し、「このゴールを目指そう。そこに辿り着くためにはこういう道筋がある。チャレンジしてみないか?」と、ゴールを示すよう心がけています。社員自身に決断を任せ、その結果を検証・評価させることは社員の成長を促し、次のチャレンジへの原動力になると考えています。

株式会社ベストケア―坂本和徳代表取締役社長

チャレンジを促す姿勢は、NSGグループ全体のチャレンジ精神と合致しますね。

NSGグループの事業会社として、法人責任者がグループの企業精神を理解することが大切です。私自身も法人責任者を対象とした研修に参加し、様々な知見を得ることで「当社の役割」を明確にし、それを社員に示すことが私の責務だと考えています。

今後取り組んでみたいことは何ですか。

新たな福祉ブランドの構築を視野に入れています。NSGグループの首都圏の事業会社として挑むことで、ベスト・ケアーだけでなく、NSGグループ全体のブランド力向上に寄与したいと考えています。その実現に向けて常にアンテナを広げ、新たな方法でチャレンジし続けることが、私の最大のミッションだと考えています。

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