減塩商品の開発・販売を通して、多くの人に健康と笑顔を届けたい。

2023.04.17 Mon

事業領域
食

― 子ども達が残食しないように、どのような工夫をされたのですか？

津島　塩味が少なくなった分、味の強さ、深さをいかに出すか。その解決策は調理現場の栄養士先生と調理師さんが出してくれました。例えばスープであればコショーなどの塩分が入らない調味料をプラスする。そんな工夫をしていただくことで、当社の減塩調味料を使った美味しくて健康的な給食を提供することができるようになりました。

― その後、減塩商品は各地に広がっているそうですね。

津島 2021年に再び学校給食実施基準が改正され、給食1回あたりの食塩摂取基準量が6～7歳で2g未満から1.5g未満へ、10～11歳で2.5g未満から2g未満へとさらに引き下げられたことで、よりニーズが拡大して、減塩商品を導入する市町村が増えていきました。現在では新潟、山形、福島、長野、宮城、埼玉、群馬、千葉など東日本の多くのエリアや、岐阜、愛知でも導入されています。これからは西日本に販売エリアを広げていきたいですね。

家庭用としても着実に浸透。使用者から喜びの声も。

― 病院や学校以外にも販売チャネルは拡大していますか？

津島　病院用からのスタートでしたが、患者さんが退院して普通の生活に戻った時のために、家庭用の商品も発売しました。販売は各地のスーパーや調剤薬局などで、商品アイテムはだしの素、コンソメ、ケチャップ、ソースが中心です。減塩という特徴に加えて、化学調味料・添加物不使用でアレルゲンも抑えてあり、小さなお子さまにも安心な商品となっています。

― 一般のお客さまの反応を教えてください。

津島　当社の販売サイトに、実際の腎臓病患者のご家族から書き込みがありました。「今まで病気の関係で味噌汁が飲めなかった夫が、この商品のおかげで飲めるようになり喜んでいます」。涙が出るくらい嬉しかったですね。

全社員、食のインフラを担う使命感で健康食品の開発に取り組む。

― 今後の減塩商品シリーズの展開をどのように考えていますか？

津島　病院用は今後もお客さまからの依頼に添ったものを開発して、お役に立てる商品を提供していきます。学校給食では、減塩・化学調味料・添加物不使用による商品を普及させ、子どもの味覚形成を支援したい。そのためにも作り手である先生・調理師さんの協力を得ながら成功事例を作り、一歩一歩地道に普及できればと考えています。

― そもそも、どうしてそこまで健康食品にこだわるのですか？

津島　当社の主力業務の一つとして、高齢者施設に食材を365日納めています。1日でも欠けてしまうと、施設の方の食事がなくなってしまいます。だから全社員、「食のインフラを担っている」という使命感があるのです。私たちが運んでくる食事を楽しみに待っている人がいる。その中に食べたくても食べられないものがあり、もし世の中にそれを補うものがないのであれば、私たちが作って運ぼう。そんな思いで健康食品の開発に取り組んできました。もちろん、その思いは変わることはありません。今後もPB減塩商品の開発・販売を通して、社会に健康と笑顔をお届けします。